1262発打たれ356発被弾の村田諒太・王座陥落を「番狂わせ」と米報道
ゴロフキンとの東京ドーム決戦プランも消滅
Boxingnews24は「ブラントが村田を倒す」とのシンプルな見出しで、「ブラントはパンチの数に集中して村田を倒すことに取り組み、それを日本人ファイターに対して優位に立つための完璧な試合プランとして証明した」と、ブラントの戦術の勝利を伝えた。 「28歳のブラントが試合を通じて速く力強いパンチをほとんど意のままにヒットさせ、2012年五輪金メダリストの村田を倒すというボクシング講座を開いてみせた」と、その理想的な村田攻略方法を称えた。 「村田は、いつも通り力のある良いパンチを見せていたが、若いブラントのスピードとコンビネーションパンチに対処できなかった」と続け、この試合のパンチ数データを紹介した。 ブラントは合計1262発のパンチを放ち、そのうち356発がヒット。対して、村田は合計774発のパンチを繰り出しヒットは、ブラントの約半数となる180発だった。 同サイトは、「ミドル級において、ブラントが出した1262発ものパンチ数は信じられない数字だ」と、その軽量級並みのスピードと手数を評価。 「村田が受けた356発のパンチ数は、試合終了のゴングを聞くまで立っていられた選手としては非常に多い数だ。村田はKOされたほうが良かったかもしれない」という厳しい分析を行った。 同サイトもボブ・アラム氏が、試合前にアナウンスしていた村田vsゴロフキンのビッグファイトが消滅の方向にあることに触れ、「アラム氏が、まだこの戦いを実現しようと考えているかどうかは定かではない。ゴロフキン、村田が失望させる判定負けを喫したことで、この戦いは、村田が今夜ブラントに勝っていた場合のような大きな戦いには程遠いものとなるだろう」と、否定的な見解を記した。 またアラム氏は、試合後、村田vsブラントの再戦の可能性について言及したが、「今夜の村田の敗戦は一方的だった。再戦で村田がブラントに勝つ姿を見ることは、2人が何度対戦しようと厳しいだろう。ブラントに2度の敗北を喫することは、村田のキャリアを傷つけることにもなる」と、厳しい見解を示した。 スポーツ情報サイトの「Sporting News」も「ブラントが村田に番狂わせをやってのけた」という記事を掲載した。 「土曜日のブラントとの対戦は、村田の米国デビューのパーティーとなるはずだった。だが、ブラントには、別の計画があり、村田の世界王座を満場一致の判定勝ちで奪い取った」と報じた。 「村田は、ゴロフキンか、サウル”カネロ”アルバレスと次に戦う計画を持ち、対戦前のオッズでもミネソタ州セントポール出身のブラントに対し圧倒的優位とされていた」と、戦前の予想を紹介。 「ブラントは、2012年の五輪金メダルを獲得した強打の敵に対して完璧な試合プランを持っていた。日本人スター(の村田)が、何を放ってくるかを待って見定めるよりも、ブラントは、試合開始から自らのアクセルを踏み込んできた。村田は、速く猛烈な動きを見せる相手の戦略を楽しんでいるように見え、第1ラウンドは笑みを浮かべていた。だが、その笑顔は長く続かなかった」と、試合をレポートした。 世界王者としての全米デビュー戦に本場メディアも注目していただけに……これが勝負の世界の厳しさとは言え残念でならない。