「手仕事は世界に誇れる日本の強み」 有松で400年続く伝統技術の未来を担うスズサン5代目が語る
「スズサン」の取扱店舗は現在、パリのレクレルール(LECLAIREUR)やミラノのビッフィ(BIFFI)といった有名店をはじめ、世界29カ国120店。そのうちの65%はヨーロッパ、15%は北米、日本は15~20%程度だといい、海外市場でしっかりとブランドを確立していることが分かる。また、村瀬CEO兼クリエイティブ・ディレクターは、昨年からイベント「東京クリエイティブサロン」にも関わっており、その一環で参画企業の羽田未来総合研究所と共に海外からVIPゲストを招へいして、地方の工房や工場を巡るツアーも企画した。そんな彼は、今後をどのように見据えているのか?
「この15年は日本の伝統文化を世界に打ち出していくことに注力してきた。次の15年は世界のユーザーを有松に迎えるような取り組みに力を入れていく。今計画しているのは、ローカルツアーを組むこと。海外から現地に足を運んでもらい、ワークショップや郷土料理などを通して、地域に根差した伝統文化やモノづくりに触れてもらいたい。製品を作ったり売ったりというだけでなく、体験による人間らしいコミュニケーションを通して、顧客と職人のつながりを生み出していけたらうれしい」。作り手と使い手、昔ながらの伝統と未来の可能性、そして日本と海外をつなぐ架け橋としての挑戦はこれからも続く。