スーパーフォーミュラ、来季導入を目指すレインタイヤを第4回カーボンニュートラル開発テストで確認「ある程度の⽅向性は出せた」と高星明誠
11月13日、全日本スーパーフォーミュラ選手権を開催する日本レースプロモーション(JRP)は、宮城県のスポーツランドSUGOで11月12日に実施された2024年4回目となるカーボンニュートラル開発テスト(CN開発テスト)のレポートを公開した。今回は来季導入が目指されているレインタイヤの確認に重点が置かれている。 【写真】塚越広大の⽩寅に装着されたレインタイヤ/2024スーパーフォーミュラ第4回カーボンニュートラル開発テスト スーパーフォーミュラは、2022年から『SUPER FORMULA NEXT50』プロジェクトを通じ『カーボンニュートラルへの対応』と『エンターテインメント性の向上』のふたつをテーマに、メーカーの垣根を越えてCN開発テストを実施している。 2023年から導⼊された現⾏『SF23』マシンでは、さまざまなパーツを通じてカーボンニュートラルに対応が行われており、横浜ゴムのカーボンニュートラル対応レーシングタイヤもそのひとつ。 今回のテストでは来季となる2025年シーズンへの導⼊が⽬指されている新レインタイヤ⽤コンパウンドおよび“ケーシング”と呼ばれるタイヤ内の構造の確認、そして前回同様にステアリングや各種ECUの装着、動作テストが⾏われた。 SUGOでの第4回開発テストには、おなじみホンダエンジン搭載の⽩寅、トヨタエンジン搭載の⾚寅の2台が参加。開発ドライバーである塚越広⼤と⾼星明誠のドライブにより、8時30分過ぎからコース上に散⽔⾞が⽔を撒きながらレインタイヤの確認テストが「順調に」進められたとのこと。 午前中の走行セッションは3時間30分間行われ、⽩寅の塚越が80周、⾚寅の⾼星が75周を周回した。続く午後セッションは14時から2時間実施され、⽩寅が44周、⾚寅が43周の周回を重ねてデータの収集およびパフォーマンスを確認。⾛⾏終了後にはミーティングで来季レインタイヤの最終仕様について協議が行われたという。 これで今季予定されていたCN開発テストをすべて終えた開発ドライバーの塚越は「レインタイヤについては今シーズン課題が⾒つかりましたが、夏のもてぎで改めてレインタイヤのテストを⾏いました。あのテストを⾏ったことでSUGOに向けて何をやるべきかが、ある程度明確になりました」とテストを振り返っている。 「その甲斐もあり、今回さまざまなコンパウンドとケーシングを持ち込むことができ、そのなかで現⾏のものよりパフォーマンスの良いものもあったので良かったと感じています。加えて新たな課題も議論することができたので、⾮常に良いテストになりました」 「僕としてはこのプロジェクトに携わらせていただいているので、より良いものをレギュードライバーに届ける責任があります。そういった意味では、来シーズンが始まる前に⾏われる数回の合同テストのときに、新しいレインタイヤを全員に履いてもらって、評価してもらいたいと考えています」 また、同じく開発ドライバーを務めた高星は「今まで⾏ってきたレインテストのなかから選りすぐりのもの、それをさらにステップアップさせたレインタイヤを持ち込んでのテストでした。今シーズンのSUGO⼤会でレギュラードライバーが苦労したサーキットでのテストを、寒い時期にも関わらずスケジュールを組んでいただいた関係者の皆さんに感謝したいです」とコメントした。 「タイヤについて、良いところも悪いところも理解できましたし、良くはなってもレギュラードライバー全員が満⾜しているかというと、そうではないところもある、ということを理解したうえで、ある程度の⽅向性は出せたかなと思います。『開発はここで終了』ではなく、まだ課題もありますので、みんなが満⾜できるように、もっと進歩させていけたらと考えています」 シリーズを開催するJRPは「CN開発テストを通して得られた知⾒を活かし、今後もカーボンニュートラルとエンターテインメントの向上に向けた活動を継続してまいります」とリリースに綴っている。 [オートスポーツweb 2024年11月14日]