大谷翔平はアジア人だから「ストライク判定」が不利になる? SNSでささやかれる説の真偽
サッカー界はどう対処しているか
ここまで野球の話をしてきましたが、サッカー界も内集団バイアスを取り除こうと尽力しているように思えます。 まずは審判について、出身国や出身チームに関係性のある審判は内集団バイアスが発生する可能性があるため、必ず第三者が審判をするようなシステムになっています。 ファンについては、内集団バイアスによって自チームの選手を高評価する可能性が考えられます。 マリー州立大学のワンたちによる調査によると、特定の選手について所属チームのファンのほうが競争相手チームのファンよりも、よいスポーツマンシップを提示していたと答える傾向があることがわかりました。 このような内集団バイアスが行きすぎると、ライバルチームの選手のことをいくらでも誹謗中傷してよいといった風潮になってしまいます。 近年のJリーグではフーリガン(暴徒化して暴れまわるようなサポーター)は極めて減少している印象があり、バイアスによる行きすぎた言動について、対処しています。 内集団バイアスを防ぐためには、集団という枠を一旦忘れて、個人に立ち返ることが大切だといわれています、選手・審判・ファンそれぞれに、集団を応援する熱さと、一歩離れる冷静さが要求される時代になっています。 もっと読む:大谷翔平が「豪邸報道」に猛激怒していた…! 日テレとフジが「出禁」になった「深刻すぎる理由」
今泉 拓(東京大学学際情報学府博士課程)