3億円超のスーパーカーに乗った! 新型GMA T.50という異次元のクルマとは
道を選ばぬスーパーカー
コンパクトなボディ、そして軽量ゆえに機敏なハンドリング、低速域で粘り強いトルクを生み出すだけでなく、超高回転域では心を奪うような美しいサウンドを響かせるエンジン。さらには、いまどきこの手のスーパースポーツカーでは極めて珍しい6速マニュアルトランスミッションの採用など、ひとつひとつのスペックからはわかりにくかったT.50のコンセプトとは、実際に体験してみると、思いのほかあっさりと理解できる。 それらは、すべてタウンスピードでも官能性を味わえるために採用されたものなのだ。実はタイヤにしても、サイズや銘柄を慎重に検討することで、フランキッティの腕をもってすれば瞬間的にグリップを失える。つまり、公道で限界的なハンドリングを試せるのだ。この点でも、コンパクトなボディサイズと軽量設計が大きく貢献しているはず。 いっぽうで今回は体験こそできなかったものの、サーキットでは可変式エアロダイナミクス(そのなかにはBT48“ファンカー”に搭載されたものと似た車体後部の回転式ファンを含む)が強大なダウンフォースを生み出し、コーナーリング性能を格段に引き上げてくれるだろう。 確かに、こんなスーパースポーツカーはこれまでなかった。ゴードン・マーレイ率いるGMA T.50が“スーパーカーのルールブック”に一石を投じる作品であることは間違いない。
文・大谷達也 編集・稲垣邦康(GQ)