「モルック」体験会など参加型企画も―日本リウマチ学会、山形市で市民公開講座開催
第68回日本リウマチ学会総会・学術集会が2024年4月18~20日、神戸コンベンションセンターを会場に開催される。学術集会に関連して、今年は5月12日に山形市内で一般向けの市民公開講座が開かれる。公開講座ではリウマチについて正しい知識を得られるだけでなく、近年知名度が向上しているフィンランド発祥のスポーツ「モルック」の体験会など参加して楽しめる企画も予定されている。会長を務める髙木理彰先生(山形大学医学部整形外科学講座教授)に、市民公開講座の見どころやリウマチ治療の進歩と内包する課題、リウマチ学の魅力などについて聞いた。
◇市民公開講座、地元出身クラリネット奏者の演奏会も
一般の方向けには、「リウマチとウェルビーイング」と題した市民公開講座を山形市内で開くべく準備しています。ウェルビーイング(Well-being)は、well(よい)とbeing(状態)からなる言葉です。世界保健機関(WHO)は、ウェルビーイングを「個人や社会が経験するポジティブな状態のことである。健康と同様、日常生活の資源であり、社会的、経済的、環境的条件によって決定される」と紹介しています。ウェルビーイングとはどのようなことなのか、自分にとってのウェルビーイングとは何なのか、それぞれの考え方があるでしょう。患者さんやそのご家族、彼らを取り巻く社会がよりよい状態になることで健康になろうということも、市民公開講座のテーマに含めています。 従来、市民公開講座は半日でしたが、今年は2部構成にし、リウマチという病気や健康な生き方について学んでいただくだけでなく、フィンランド発祥の「モルック」というスポーツの体験会など、参加して楽しめる企画も用意しました。 関節リウマチはとても有名ですが、リウマチ性疾患には他にも膠原病(こうげんびょう)や高齢の方がとても困っている変形性関節症、脊椎関節炎など多様な症状を呈する病気が含まれます。そうした全体像を知っていただいたうえで、金子祐子教授(慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科)に関節リウマチや膠原病の薬物治療の進歩についてお話しいただきます。 リウマチと変形性関節症を中心に超高齢社会で患者さんが抱える問題点や、さまざまな要因で体調が悪くなるといったお話の後、地元の開業医の先生や山形大学の内科医を交えて総合討論をします。 今、インターネットを通じてさまざまな“講座”を見られるようになったなかで、市民公開講座の在り方は変わってくるのではないかと思っています。その実践として、体を動かしたり、地元・山形出身のクラリネット奏者と出身中学の吹奏楽部による演奏を楽しんでいただいたりする参加型イベントも予定しています。 オンライン開催では著作権や情報保護などの課題があり、残念ながら今回は現地開催のみとなります*。 *市民公開講座は2024年5月12日10時~15時35分、山形市双葉町1のやまぎん県民ホールで開催。入場無料。定員500人(先着順)。チラシ(https://www.yamagata-np.jp/riumachi/pdf/riumachi_A4_leaflet.pdf)記載の2次元コードもしくは電話(023-664-0295)で申し込む。