「イジメのような構図」「コトの重大さを理解してもらうしかない」…刑事告訴が始まった町田ゼルビア〈誹謗中傷問題〉で悪質アンチの警察への「自首」が急増中
犯罪者、ゴミ、知能がない…SNSでの誹謗中傷
「軽い気持ちで書いてしまった。謝罪したい――。投稿者が警察に『自首』するケースが相次いでいます」 【マンガ】「死ねばいいのに」モラハラ夫に悩む女性が我が子をネットに晒し始めた理由 こう話すのは、FC町田ゼルビアの顧問弁護士を務める加藤・轟木法律事務所の加藤博太郎弁護士(38)だ。 FC町田ゼルビアは2018年にサイバーエージェントが経営に参画し、2023年シーズンからは元青森山田高校の黒田剛監督(54)を招聘した。黒田監督就任1年目にJ2優勝。今季はJ1昇格1年目ながらシーズンの半分以上で首位を守り、最後の最後まで優勝争いを続けた。 だが一方で、守備重視の戦術や球際の激しい競い合い、ロングスローを多用したスタイルなどを好ましく思わない他チームファンも多く、その一部が悪質な「町田アンチ」と化し、SNSで誹謗中傷を繰り返すようになった。 「犯罪者みたいな顔」 「存在が粗大ごみ」 「知能がない」 これらはSNSに投稿された、FC町田ゼルビアの監督や選手などに対して向けられた誹謗中傷の一部だ。FC町田ゼルビアの運営会社「株式会社ゼルビア」でCOOを務める上田武蔵氏(30)は、現代ビジネスの取材に対してこう明かしていた。
「悪質アンチ」を刑事告訴
「悪質な誹謗中傷は、黒田監督が就任してJ2で首位を独走し始めた昨シーズンから始まり、今季J1で首位に出たタイミングで過熱しました。今では誹謗中傷の対象は、選手、監督、スタッフ、クラブ全体に及びます。 調査の結果、誹謗中傷をしているのは他クラブのファンの方が大半だとわかりました。黒田監督を『暴力団』呼ばわりする、クラブを『サッカー業界のゴミ』呼ばわりするなど度が過ぎた投稿に加え、なかには殺害予告とも言える投稿まであります。 監督や選手らは極力SNSを見ないようにするなど自衛してくれていますが、それでも甚大な精神的苦痛を被っており、これ以上看過することはできない状況になっています。 また、悪意ある誹謗中傷から派生した風評被害によって、クラブとしても多大な経済的損失を受けています。『なぜゼルビアのようなチームを応援しているんだ』という抗議が入るなど、スポンサーの方にもご迷惑をおかけしてしまっています」 こうした事態を受け、FC町田ゼルビアは、スポーツ選手をはじめとする著名人の権利保護に関して、実績のある加藤弁護士に対応を依頼。 加藤弁護士は、FC町田ゼルビアのオーナーを務めるサイバーエージェントの藤田晋社長(51)や上田氏と協議を重ね、SNSで「悪質な誹謗中傷」を繰り返していた投稿者に対して刑事告訴することを決めた。刑事告訴には、1件につき数十万円の情報開示請求費用などがかかるが、藤田社長からは「スピード感をもって厳正に対応してもらいたい」と伝えられたという。