「イジメのような構図」「コトの重大さを理解してもらうしかない」…刑事告訴が始まった町田ゼルビア〈誹謗中傷問題〉で悪質アンチの警察への「自首」が急増中
投稿を削除したが、大丈夫なのか
アスリートへの誹謗中傷は以前から社会問題となっているが、プロチームが刑事告訴に踏み切るのは異例だ。藤田社長は現代ビジネスにコメントを寄せ、苦渋の決断だったことを明かした。 「無数の誹謗中傷を浴びており、それはもう酷いものでしたが、これまでは新参者への洗礼かと目を瞑ってきました。しかしながら、もう限界です。これ以上は看過しないことを決意しました。 刑事告訴にまで踏み込むのは本意ではありませんが、現状はイジメのような構図になっている。この状況を変えるには、インパクトのある処罰によってコトの重大さを理解してもらうしかないと思っております」 FC町田ゼルビアが刑事告訴を公表したのは10月15日。それから約2ヵ月、加藤弁護士によれば、冒頭のように投稿者の「自首」が相次いでいるという。 「想定以上の反応がありました。首都圏のほか、熊本など全国の警察署から『投稿者が「誹謗中傷してしまった」と来ているが、状況を詳しく教えてほしい』という連絡が相次ぎました。中には自分の投稿がテレビで放送されてしまい、慌てて警察に駆け込んだというケースもありました。 弁護士を通して『謝罪したい』と連絡してきた投稿者もいます。刑事告訴に関する報道を見た投稿者が『ニュースを見て投稿を削除したが、大丈夫なのか。私も刑事告訴されてしまうんでしょうか』と弁護士に相談。弁護士経由で『複数にわたって動画にコメントを入れてしまった。誹謗中傷をしたことを認め、真摯にこれを反省し、二度と同じことをしないことを誓います』『誹謗中傷にあたるとは思わなかった。軽い気持ちで書いてしまった。謝罪したい』などとお詫びがありました」
サッカー界全体の問題
加藤弁護士は芸能人やアスリートに関する訴訟を数多く担当してきた実績があり、サッカー日本代表・伊東純也の性加害騒動を不起訴に導いたことでも知られる。加藤弁護士はこう訴える。 「これまで、さまざまなスポーツ選手からSNSでの誹謗中傷に関する相談が私のもとに寄せられていました。誹謗中傷はエスカレートする一方であり、本人のみならず、家族に及ぶこともありました。トップアスリートはメンタルが強いと思われがちですが、誹謗中傷はボディブローのように効いてくるものです。実際、伊東選手も相当疲弊し、パフォーマンスが落ちていた時期もありました。 FC町田ゼルビアが刑事告訴に踏み切ったのは、優勝を争うシーズン終盤という大事なタイミングではありましたが、藤田社長は『ゼルビアのためだけではなくサッカー業界全体のために一石を投じたい』と話されていた。反省してくださった方が多くいるということは、アスリートへの誹謗中傷問題に歯止めをかける一歩になったのではないか」 選手が競技に集中できる環境づくりに向け、FC町田ゼルビアは今後も誹謗中傷問題には厳しく対応していくという。 ……・・ 【つづきを読む】「度が過ぎている」サイバー・藤田晋社長が怒り心頭…!町田ゼルビアが「悪質すぎる誹謗中傷」を刑事告訴
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