「完全に独断で行動したとは考えにくい」ドローン偵察は誰の指示?疑問の声も「大きな裁量権を持っていない」【パリ五輪】
カナダ女子代表は現地時間3日、パリ五輪(パリオリンピック)の女子サッカー競技・準々決勝でドイツ女子代表に敗れた。チームは敗退したが、スキャンダルに関する真相が次々と明らかになっている。ドローン偵察の責任は組織にもあると、カナダメディア『ゴドリッチ・シグナル・スター』が指摘している。 【決勝トーナメント表】パリ五輪 女子サッカー 事の発端は、初戦ニュージーランド戦が行われる前に、カナダ女子代表のスタッフであるチームアナリストのジョセフ・ロンバルディ氏が、ニュージーランド女子代表の練習をドローンで偵察していたことにある。それにより、カナダ女子代表は勝ち点6剥奪、カナダサッカー協会には多額の罰金が科せられ、ベブ・プリーストマン監督を含む3人のスタッフは1年間の資格停止処分を受けることになった。その後の調査で国際サッカー連盟(FIFA)は、プリーストマン監督がやり取りしていた電子メールの一部を公開。今回のパリ五輪だけでなく、カナダの男子サッカーも含め、以前から慣習的にスパイ活動が行われていた可能性が強まっている。 今回のスキャンダルにおいて、カナダサッカー協会は第三者の立場を取り、調査する意向を示した。しかし、同メディアは「プリーストマンのようなリーダーがサイロの中で活動することは滅多になく、世間が思っているほど大きな裁量権を持っているわけでもないのが普通だ。プリーストマン、あるいは同様のスキャンダルに巻き込まれたリーダーたちが、所属する組織や他の主要人物の認識や承認なしに、完全に独断で行動したとは考えにくい」と疑問を投げかけている。 そして、独自の見解として「組織が論争に巻き込まれた時、世間や利害関係者に断固とした行動をとっていることを証明する必要がある。多くの場合それは、責任をなすりつけるスケープゴートを見つけることを意味し、そうすることで積極的であるように見せかけ、訴訟や株価の下落、さらなる社会的憤慨や風評被害を回避できる可能性がある」と報じた。結論として「カナダ女子サッカーのスキャンダルでは、プリーストマンが責任を負っているようだ。疑惑の事件はプリーストマンの職務の範囲内で起きたものであり、彼女の雇用と法的な関係がある。ニュージーランド、オリンピック、またはその他の影響を受けた当事者が、これらの行為に関連する損害賠償を求めてカナダサッカー協会を訴えた場合、カナダサッカー協会は代理責任を負う可能性が高い」と伝えている。
フットボールチャンネル編集部