日産の名車「ダットサン」を学生らが7年かけ修復 日本の自動車産業を見直す「新たな気づき」も
■修復の過程で判明した「新たな気づき」 関東学院大学でのレストアの過程からは、日本の自動車産業を見直す「新たな気づき」も生まれました。 武田准教授によると、もともとダットサン17型ロードスターなどはイギリスの名車「オースチン7」を模倣したものではないか、といわれてきました。 しかし、武田准教授は「見比べて、明らかに違うというところを発見した」と語ります。 エンジンの燃費が悪く、出力も出ないといわれていたオースチン7とは異なる設計によって、より燃費の良いエンジンになっていたといいます。 関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授: 「オリジナルな思想を持った設計がなされている、というところを、私たちは明らかにできたんじゃないかな、という風にも思います。今の日本の自動車の低燃費を追求する設計の、その第一歩になっている車なのではないでしょうか」 また、ダットサンの修復は、日本のものづくりのこれからを担う若い世代にとって、非常に大きな成果があった、と武田准教授は言います。 関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授: 「本学の卒業生も、自動車メーカーや部品メーカーなどに就職する人が多いので、『当時、日本の技術は欧米を真似したもの』だといわれてきたことを否定できたというところも、私たちのプライドにもなりました。 何よりもダットサンを通して、『やっぱり車好きだな、楽しいな』っていう風に思ってくれた卒業生たちが、これから先も、趣のある自動車を作ってくれる、そういうエンジニアになってくれるんじゃないかなと、期待したいと思います」 87年前のエンジニアたちの思想、独自の工夫や設計技術の刺激を、直接受けた次の世代のエンジニアたちが、また日本に名車を生んでくれるのを楽しみにしたいですね! (TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:近堂かおり)
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