日産の名車「ダットサン」を学生らが7年かけ修復 日本の自動車産業を見直す「新たな気づき」も
日産のルーツとなったブランド「ダットサン」。 100年以上の歴史のなかで「サニー」「ブルーバード」「フェアレディ」などの人気モデルを生み出し、世界で愛されるブランドとなりました。 【画像】修復が終わり、キャンパス内を走るダットサン17型ロードスター 2022年に「ダットサン」の名称での生産が終了した今でも、根強い人気を誇っています。 そんな中、「卒業研究」として87年前に製造されたダットサンのレストア(修復)を手がけてきた大学があります。 学生たちがリレーをつないで、7年越しでレストアに成功。 サビだらけだった車がエンジン音を響かせ、走り出すまでになりました。 7年間、学生たちを見守ってきた教員と、大学に亡き夫の愛車を寄贈した女性に話を聞きました。 ■「エンジンがかかった瞬間、鳥肌が……」 ダットサンのレストアを手がけてきたのは、関東学院大学理工学部で自動車を研究する学生たち。 先進機械コースの武田克彦准教授が指導する4年生が毎年、卒業研究として、寄贈された1937年製造の「ダットサン17型ロードスター」のレストア(修理)を行ってきました。 関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授: 「次はここをもっと直してくれとか調べてくれとか、バトンタッチしながら継続してやってきました。7年ちょっとですね」 きっかけは、車雑誌「SUPER カーグラフィック」の元編集長・伊藤和彦さんです。 当時、伊藤さんが大学で非常勤講師として勤務していた縁で、「実際の車を通して学ぶ機会を与えたい」と、伊藤さんを介して古いダットサンを譲ってもらえることになりました。 しかし、届いたダットサン17型ロードスターの状態はよいものではありませんでした。 サビもひどく、シリンダーのふたを開けるのも大変な作業だったそう。 毎年、4年生が、少しずつ修復し、研究論文を書いて、続きは後輩に託すという形でバトンを繋ぎ、ついに、今年完了しました。 レストアが完了し、エンジンがかかった瞬間のことを、武田准教授に聞きました。 関東学院大学理工学部 武田克彦 准教授: 「実験室から、クランキングという、エンジンを動かすためのセルモーターを電動工具で無理やり回す、キュンキュンキュンという音が響いて聞こえてきてたんですけども。