自然素材でつくったタイニーハウスは氷点下でも超ぽかぽか! 羊毛・ミツロウ紙などで断熱効果抜群、宿泊体験してみた 「CORONTE(コロンテ)」北海道仁木町
旭川から仁木町へコテージを運びクレーンで吊り上げ設置した。
ドロノキでつくった引き戸。木目に風合いが感じられる。
今回使った木材の中には、陣内さんが切り出し、それをため池に半年間つけ、じっくりと乾燥させたものもある。木材を乾燥機に入れて乾かす方法もあるが、水中乾燥すると時間はかかるが、反りや割れなどを防ぐ効果が高いという。 「昔ながらの木材の乾燥方法です。しっとりした風合いがあって、色つや香りがよいです」 昔はどこでも木材を何年も水中で貯木してから製材していたという。山里の農村には開拓時代につくられたため池があって、現在は使われていないため、それを活用しようと思った。また、そこにある木材だけでなく、土や藁などその場で手に入る素材で家をつくるということも当たり前に行われていた。
さらに紹介しきれないくらい、さまざまな挑戦がある。 鳥の目線のような風景を味わってもらいたいとあえて傾斜地に建てた。 また、そこにあったミズナラの木を切らないで、デッキから突き出るような構造とした。 手間がかかる作業ばかりだが、それが雇用にもつながると陣内さんは考えている。 「職人さんたちは、手間がかかって大変だと口々に言うけれど、自然の中で作業をすることで、みんなとても明るい表情になっています。現在の建築は効率重視で手間になることを極力避けるけれど、気持ちを込めて丁寧に仕事ができるし、技術も継承できる。それに自然素材なのでほとんどゴミも出ないのも良い点だと思います」
デッキの構造部分。丸太を組み合わせ、木が枝を伸ばしているような景観をつくりたかったのだそう。
デッキを突き抜けてミズナラが生えている。夏には青々とした葉をつける。
当初の計画で総予算は700万円ほどだったという。 しかし、柱や壁を曲線でつくることに方向転換したことなど予想を超える手間がかかり、1000万円以上かかったという。 「コストはかかりましたが、自然素材の家ならメンテナンスをしっかりしていけば200年、300年と使い続けられます。こうしたスパンで考えたら、決して高価なものじゃないと僕は思います」