フリーランスという働き方を “選ばざるを得なかった” 女性たち 「会社がルールを変えれば一緒に働けるという視点を」
息子の一頂くんを学校へ送ったあと、帰宅する時間までが仕事。夕方には終えるのが紫織さんの働き方だ。夕方以降や土日は、仕事をしないと決めている。しかしキャリアチェンジして間もないころは、働くペースをうまくコントロールできなかったという。 ▽OFNE “船長” 仲本紫織さん 「ほぼ徹夜みたいことをしたりしていて。子どものことを見守りたくてフリーランス生活を選んでいるのに、全く意味ないなと思った瞬間があった。たぶん(フリーランスは)みんなあるんじゃないですかね」 紫織さんの夫、博之さんは、CM制作などを手掛ける会社を経営している。自身が起業した時期と紫織さんがフリーランスの道を選んだ時期が重なっていたこともあり、当初は不安があったと話す。 ▽仲本博之さん 「今はそういうコミュニティ(OFNE)をやっている場合じゃないだろとか、固定収入で働いてほしい、みたいな気持ちは正直あって。それで喧嘩になった」 衝突も経験しながらも、良き理解者として紫織さんの仕事を間近で見てきた夫、博之さん。今では、収入など将来の不安から踏み出せない女性の覚悟を後ろから支える存在として、OFNEの活動をリスペクトしている。 OFNEにパンフレットのデザイン作成などを依頼する企業、那覇市の「琉球ミライ」も、働く女性を支えるOFNEの姿勢に共感して仕事を発注する。 ▽日高春菜さん(琉球ミライ株式会社) 「フリーランス相手の発注って、どうしても “安い人を選ぶ” みたいになる。そうじゃなく、OFNEの考え方を伺って共感してお願いしている」 一方で、日高さんはOFNEとのやりとりを通して、女性が働く環境について感じていることも打ち明けるー ▽日高春菜さん(琉球ミライ株式会社) 「 “フリーランスを選ばざるえない” 女性たちがたくさんいる。会社側としては、ルールを変えれば、一緒に働き続けられるかもしれないっていう視点を(女性たちから)もらい続けた方がいいのかなと思います」
▽OFNE “船長” 仲本紫織さん 「生き方に悩んでいる女性はたくさんいる。子どもに障害があるとか、シングルマザーとか、親の介護とか。(そういう女性が)孤立しないようにできるといいな、という思いはすごくあります」 「仕事」と「生き方」どちらも自分らしく選択しようとする女性たちの背中を押すOFNEの取り組み。ジェンダー平等を目指す過渡期にある社会を支えている。 <取材MEMO> OFNEに入会条件はなく、女性なら誰でも入ることができます。最近では仕事の選択肢を広げるためのライティング講座やデザインの勉強会など、スキルアップにつながる活動に力を入れているということです。(取材 宮城恵介)
琉球放送