東京メトロはしょぼい?「新NISA民」をターゲットに再び新設&拡充が進む株主優待
■ 第一生命HDは子会社化したベネワンのサービス 優待新設を発表した際は「PayPayポイントを1000ポイント」としていたが、後に「1000円分のPayPayマネーライト」に変更された。変更後のPayPayマネーライトの方が手数料無料で他者への譲渡が可能になるなど使い勝手がいい。100株以上を1年以上保有する株主が対象となる。 第一生命ホールディングスは100株以上の株主に対して、グループ会社のQOLead(キュオリード)の健康増進アプリサービスの利用と、子会社化した福利厚生サービス大手のベネフィット・ワンが提供する140万件の会員制生活総合サービス(ベネフィット・ステーション)を割引価格で利用する権利を付与する。 アドバンスクリエイトは100株以上の株主にカードタイプのカタログギフト(税込み2970円)を送付してきたが、これを百貨店のフリーチョイスギフト(ウェブカタログ、税込み4180円)にグレードアップした。 東京メトロが上場したのはこうした優待の“拡充ラッシュ”のタイミングだった。だからこそ、同社の優待は「せこい」「しょぼい」と言われてしまうのかもしれない。 とはいえ、優待が個人投資家にとって魅力的な制度であることは変わりない。 金融庁が発表した「NISA口座の利用状況調査」(2024年6月末時点)を見ると、「成長投資枠」の買い付け額で上場株式は投資信託の後塵を拝している。「つみたて投資枠」も含めると圧倒的人気を誇るのは外国株式で運用する投資信託で、そうした投資信託への大量投資が円安の一因になっているという指摘もある。 優待や配当の拡充が「新NISA民」の目を日本株に向ける契機となり、国内株式市場の活性化につながってくれるといいのだが。 ※実際の投資や売買に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
森田 聡子