警視庁が「ぼったくり」対応強化 夜の歌舞伎町は変わったのか?
客が高額な飲食料金を請求される「ぼったくり」。日本一の歓楽街ともいわれる東京・新宿の歌舞伎町では、ぼったくり被害が昨年末から急増していました。その対策として、警視庁は6月から対応を強化。捜査員が通行人に注意を呼びかけたり、悪質な店舗の摘発も行いました。強化を開始して約2か月。夜の歌舞伎町がどのようになったのでしょうか? 平日夜の歌舞伎町を訪れてみました。
ぼったくり被害は昨年末から急増
新宿署によると、歌舞伎町における料金被害トラブル(ぼったくり)の110番件数は、昨年末から急増しています。2014年1月が22件だったのに対し、12月には206件まで増加。その後も増えて今年4月は341件でした。歌舞伎町交番前では、深夜から明け方にかけて、客と店員による料金トラブルの押し問答が繰り広げられ、週末には同時に数組が集まることもありました。 基本的に警察には「民事不介入の原則」があり、料金についてはお互いの合意で解決してもらうという対応です。店員も警察は仲裁などをしないと高を括り、平然と交番前で客に高額な料金請求をしていたのです。しかし、被害が急増していることから、これを方針転換。ぼったくり被害の相談に訪れた客と店員を引き剥がし、客は新宿署で話を聞くという対応にしたのです。店側は、交番に行ってしまうと請求した金額を回収できなくなったのです。
週末の歌舞伎町交番前を観察すると
この対応の変化で歌舞伎町はどうなったかを探るため、7月上旬、週末の歌舞伎町交番を午後11時から午前5時までの6時間、観察してみました。 すると、ぼったくり被害を訴えに来たとみられる人は、なんとゼロ。交番前の様子は劇的に変わっていました。繁華街ということもあって、道を尋ねる人や泥酔して運ばれてくる女性、酔っ払って起きない客に困るタクシー運転手など、深夜にも関わらず引っ切り無しに人が訪れますが、客と店員の言い争いは全く見ることはできませんでした。交番前の様子が劇的に変化していたのです。