警視庁が「ぼったくり」対応強化 夜の歌舞伎町は変わったのか?
表面上の被害件数は減ったものの
この現状をどうみるか。歌舞伎町ぼったくり被害相談室というサイトを運営する青島克行弁護士に話をうかがいました。 客と店員の交番前での言い争いがなくなったことについては、 「6月の警視庁の方針転換からは、店側が客と一緒に交番に行くと警察が助けるので、最近は客を交番前まで行かせなくなったり、とりあえず犯行を控えているようです。その結果、(表面的には) ぼったくりの件数が激減したというのが現状です。ただし、“いけそうな客 ”には細々ながらもぼったくりを続けておりますし、とにかく店から出さないというケースの報告が私の元にもいくつかありました。完全に暴行された上で金を取られたという報告や、昏睡強盗の疑いが濃厚である報告など、警察対応の変化を受けてより悪質となった事案などです。このように被害件数こそ減ったものの、悪質化した事案についての対応が問題ですね」と今後を懸念しています。
警視庁の方針転換については、「6月1日以降、表面上は劇的に改善しましたが、警視庁の応援部隊がいつまでも歌舞伎町に来るわけでもありません。新宿警察署にぼったくり専門部署ができるということですので、まずはここに期待しますが、警察官のこれまでの対応が変わらない限りは、検挙数の増加も、いまの一時的なものになると思います。」と指摘しました。 このようなところから変わっていかないと、ぼったくり店にとって警察は怖くないといい、警視庁の応援部隊が来なくなる時期を見計らって、徐々にぼったくり件数を増やしていくのでは、と予想しています。 「そのときに兆候があり次第、その都度、徹底的な対抗措置を取っていくのか、そこにかかっている」と警察の対応に期待しました。 また、私たちが被害に遭わないため(最小限に抑える)には、「被害者にならないためにどうすればよいのかを考え続けることと、もし遭ってしまったときに警察に動いてもらうためには、どこまでの法的知識や交渉力が必要になるかということを広く知っておくことしかない」と指摘。続けて、「考え続けることや勉強し続けることは本当に大切。考え続けておけば、加害者の横暴や、泣き寝入りを強要するような警察の理不尽な対応とカード会社の無慈悲対応 のすべてに対して、それなりの胆力、忍耐力、論理力、法的知識をもって対応していけるはず」と助言します。 新宿・歌舞伎町。表面上はぼったくり被害が減少しているようですが、まだまだ注意は必要なようです。警察の対応が強化したと安心せずに、自分の身は自分で守るべく、ぼったくり店に連れて行かれないように「客引きは相手にしない」などの対応が重要です。 (ライター・重野真)