「26年1月」か「25年」か、「103万円の壁」引き上げ開始時期めぐり与党と国民民主対立
年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の引き上げを巡り、自民、公明両党の与党と国民民主党との間で主張の違いが鮮明化している。時期については、与党が準備期間を確保して2026年1月からの引き上げを軸に検討するのに対し、国民民主は25年からの実施を求める。3党は6日にも税制調査会長による3回目の協議を行い、調整を本格化させる。 【ひと目でわかる比較表】「103万円の壁」引き上げ巡る主張の違い
妥協案浮上
与党は税制改正に関係する実務を考慮し、26年1月の引き上げ開始を想定する。国民民主との協議を踏まえ、年内に103万円の壁関連を含む見直しの内容を、税制改正大綱としてまとめる予定だ。
ただ、実現するには関連法の改正が必要で、順調に進んでも成立は25年3月になる見込みだ。改正内容の周知や、源泉徴収を行っている企業が経理システムの改修などを行うのにも、さらに一定期間を要する。
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得に課税される。この点を踏まえ、26年分所得の始期である26年1月を軸に検討している。
これに対し、国民民主は、25年分所得からの引き上げも可能だと主張する。玉木代表は5日、X(旧ツイッター)に「26年分からというのは、やる気がないだけの話」と書き込み、与党をけん制した。会社員らが年末に行う年末調整や、自営業者らが行っている確定申告を通じ、「遡って減税が受けられる」とも主張した。6日の協議では、こうした論点が話し合われるとみられる。与党内には、26年分から引き上げるが、25年分は減税の代わりに給付金などを配るという妥協案も浮上している。
引き上げ幅
非課税枠である103万円の引き上げ額も、引き続き焦点となる。
国民民主は、全ての人に原則一律で適用される基礎控除という減税措置などを75万円引き上げ、178万円とするよう主張する。非課税枠が103万円になった1995年から最低賃金が1・73倍に伸びたとして、非課税枠も1・73倍にすべきだとの理屈だ。