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（ブルームバーグ）： 市場のボラティリティー（変動性）が新型コロナウイルス禍のピーク期以来最も高まった７－９月（第３四半期）は、ウォール街の金融機関のトレーディングデスクに思わぬ好業績をもたらした。

ゴールドマン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）、シティグループ、ＪＰモルガン・チェースの４行は７－９月期の株・債券トレーディングの収入がアナリスト予想を上回った。各行の株トレーディング収入は７－９月期としては過去最高に達した。

７－９月期に次々と発表された経済指標が米政策金利の動向にどう影響するか投資家が分析を急ぐ中で相場は大きく変動した。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は高値から一時8.5％下落し、シカゴ・オプション取引所（ＣＢＯＥ）のボラティリティー指数（ＶＩＸ）は2020年以来の高水準に達した。その後、米金融当局が政策金利を0.5ポイント引き下げたのを受け、Ｓ＆Ｐ500種は回復し、最高値を更新した。

ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者（ＣＥＯ）は15日の決算発表に関する電話会見で、「不確実性に満ちた環境だ」と述べ、顧客は「絶えず取引を行いポジションを調整する必要があり、その結果、世界規模で非常に活発な取引が続いている」と説明した。

９月の業界会議で大手行の経営幹部から期待値を下げるような発言が相次いだ後だけに、トレーディング収入が予想を上回ったことは投資家には朗報となった。ゴールドマンのソロモン氏は７－９月期が残り３週間の時点で、トレーディング収入が前年比10％減少する可能性があると発言していたが、同社の株式トレーディング部門の収入は35億ドル（約5200億円）と、2021年１－３月（第１四半期）以来最高を記録した。

また、ＢｏｆＡのブライアン・モイニハンＣＥＯは先月、１桁台前半のより控えめな伸びを予想していたが、同行の株・債券・通貨・商品のトレーディング収入は12％増加した。市場部門を率いるジム・デマーレ氏は、売買高が増加する中での「株式にとって好ましい投資環境」を指摘した。