「弟の絵がドラマに登場するなんて夢のようです」 チューリップが描けるまで3年かかった自閉症の画家 作品がTBS金曜ドラマ「ライオンの隠れ家」に
午後11時頃に就寝。夜は大型の作品は描かずグッズ用のイラストを仕上げる程度だ。 ■親亡きあとのこと 母は「お願いね、という気はない」 母・愛子さんは宏介さんが出かける姿を祈るように見送る。 母 太田愛子さん「宏介が、今日も良い人に出会えますようにって思っています。宏介のことを理解出来る人が、近くにいてくれますように・・・と」 母・愛子さんの最大の心配は、親亡きあとのこと。ただ、きょうだいに、宏介さんの面倒を見てもらおうとは思っていない。 母 太田愛子さん「宏介が自分の事は自分で出来るように慣れさせています。ルーティンじゃないとやれないというところから、ちょっとはみ出そうが違う事になろうが大丈夫な宏介になってもらいたいです。だからわざと、用意すると言っていた食事の準備をせずに納得させるように訓練しています。『ごめんねー今日はお母さん、用意が出来なかった』というと『大丈夫です。今から弁当を買いに行きます』と、徐々にパニックにならずにすむようになってきました。ストック食品をちゃんと自分で作って食べたこともあります。私は命ある限り、宏介が自分でやれるよう教えていきたいと思っているんですよね。兄の信介が面倒見てくれるから「お願いね」という気はないです。彼の人生だから。」 ■「弟のすべてを面倒見ようとは思っていない」 兄の信介さんは、障がい者のきょうだいたちで構成する「全国きょうだい会」の事務局長を務めている。 仲間と悩みを共有し福祉サービスの情報などを共有するうち、一緒に暮らさずとも見守ることはできる、と考えるようになった。 兄 太田信介さん「きょうだいでも、好きで面倒を見たいという方はそれでいいと思うんですけど、自分の配偶者や子供がどう思うのか、きょうだいよりも僕はそこを一番に考えるべきと思います。自分が何もかも責任を持たないといけない、自分が面倒見ないと!と考えると生きづらさだけが残ると思う。きょうだいの会をやっていると、先輩方もいらっしゃって、福祉サービスの利用の仕方なども知ることが出来るんです。全て自分で背負う必要はない…と気付くので、そういう部分じゃ悩みも軽減できています。弟のすべてを自分で面倒見ようとは思ってはないですね」