サッカー日本代表、インドネシア戦で攻守によくないデータ 三笘薫がほとんど仕掛けられない!
【サイドからのクロス攻撃が少なかった】 一方、攻撃面も低調だった。 日本がマークした4ゴールは、いずれも他のアジア勢であれば決められなかったと思われるものばかりで、そういう意味では、あらためて日本のクオリティーの高さを示したと言っていい。 しかし、チーム戦術の視点から見た場合、この試合の日本は、ボールを保持できたわりには過去の試合と比べて明らかにチャンスメイクに苦しんでいたのも事実だった。 前半は2つのゴールシーンを除くと、決定機と呼べるようなチャンスはゼロ。大雨の影響もあったかもしれないが、75.3%のボール支配率がありながら、シュートは5本のみ(枠内シュート3本)。ボール支配率24.7%のインドネシアがシュート4本(枠内シュート1本)を記録したことを考えると、日本の決定率の高さだけをクローズアップできない。 同じく2ゴールを追加した後半も決定機をなかなか作れず、むしろマンツーマンディフェンスを徹底したインドネシアがボールを保持する時間帯が長くなり、日本ペースとは言えない試合展開と化していた。点差が広がり、試合がオープンな展開になって日本のシュート数は最終的に12本になったが、逆にボール支配率は66.3%に低下している。 さらにこの試合で目立っていたのは、サイドからのクロス攻撃が少なかったことだ。前半のクロス供給はわずかに6本で、より攻撃が停滞した後半は3本に半減してトータル9本。たとえば、9月の中国戦は1試合でクロス31本を記録し、バーレーン戦も16本。ボールが保持できなかった第3節のサウジアラビア戦の6本は例外としても、前節オーストラリア戦でも18本を数えたことを考えると、この試合における日本のサイド攻撃があまり機能していなかったことがわかる。 とりわけ、三笘薫が左サイドの大外でボールを受けてから仕掛けるシーンがほとんどなかった点は見落とせない。左シャドーにポジションを移した後半は当然としても、前半から三笘のドリブル突破という大きな武器を使えなかったことは、サイド攻撃の機能不全に拍車をかけたと言っていいだろう。 その要因として考えられるのは、主に2つ。ひとつはピッチコンディションが悪かったため、これまでのような右サイドからの大きなサイドチェンジを使えなかった点。もうひとつは、「5-4」のブロックの「4」の脇を使って相手守備陣を広げようとするあまり、町田が大外に立つ三笘へのパスコースを切ってしまっていたことだ。 もちろん先制ゴールのように、町田のその動きが効果的に機能するのも確かなので、それ自体が修正点にはならない。しかし同時に、その動きによって三笘が大外のレーンで勝負しにくい状況が生まれるのは、チームとして把握しておく必要はあるだろう。