サッカー日本代表、インドネシア戦で攻守によくないデータ 三笘薫がほとんど仕掛けられない!
【攻撃が中央偏重になった可能性】 実際、この試合で三笘がアタッキングサードの左大外レーンでパスを受けたのは、守田から2本、遠藤航から1本しかなく、板倉からは1本もなかった。町田からは3本あったが、そのいずれも、町田が中央寄りのエリアでボールを保持して出したショートパスで、三笘がドリブルで仕掛けにくい状況と言えた。 これもまた、チーム戦術に余白が多いからこその現象とも言えるが、少なくとも、三笘という大きな武器をどのように使うのが最も効果的なのかは、チームとしてあらためて整理しておきたいところだ。 終わってみれば、この試合の勝負の分かれ目は、前半20分以降に目立つようになった守田と鎌田の機転を利かせたローテーションによる中央攻撃だった。しかしそれによって、より攻撃が中央偏重になったことも否めない。 ただ、相手のレベルが上がると中央攻撃が通用し難くなることは、先のオーストラリア戦でも証明されたばかり。しかも、それが致命的なカウンターを受ける引き金になりやすい点を考えると、サイド攻撃とのバランスも見直す必要がある。 0-4という一方的なスコアで勝利したインドネシア戦を、試合内容に焦点を当てて振り返ってみると、攻守両面にわたって現行の戦術に改善点が散見された試合だった。
中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi