サッカー日本代表、インドネシア戦で攻守によくないデータ 三笘薫がほとんど仕掛けられない!
【新たなパターンでロングボールに苦しむ】 谷口が不在だったこの試合における日本の3バックは、板倉滉を中央に、右に橋岡、左に町田浩樹という初めての構成。敵陣に押し込んで攻撃する際は、相手の「5-4」のブロックの「4」の脇にあるスペースを活用すべく、町田あるいは橋岡が高い位置をとる。そこで板倉との間に生まれるギャップを、インドネシアに狙われた。 立ち上がり9分に与えた決定機は、その典型例だ。その場面、日本は鎌田大地のシュートが相手にブロックされると、そのセカンドボールを回収した19番(トム・ハイェ)が迷わずロングフィード。その時、日本は町田と橋岡が高い位置に残っていたことで、板倉は11番と1対1の状態になっていた。大雨も影響したのか、板倉はボールのバウンドに対応できず、そのまま背後をとられてGKと1対1のシーンを作られた。 その場面はGK鈴木彩艶の好セーブに助けられたが、日本はそれ以降も15分、18分、後半55分、73分と、同じようなパターンで11番へのロングフィードからのカウンターを受けている。加えて、後半のアディショナルタイムには似たかたちで、町田が途中出場の12番(プラタマ・アルハン)に背後をとられるシーンもあった。 日本はロングボール対応が苦手であることが露呈したのは、今年1月のアジアカップのこと。その時は主に相手のターゲットマンにロングボールを供給され、その競り合いでボールを収められ、あるいはセカンドボールを回収されてからの2次攻撃を受けて苦しんだ。当時の日本の布陣は、4-2-3-1または4-3-3だった。 その解決策にもなっていたのが、6月から採用する現在の3バックシステムだ。それ以来、日本がロングボールに苦しむシーンは激減したわけだが、今回のインドネシア戦では、また新たなパターンでロングボールに苦しむことになった。 もちろん、チーム戦術に余白が多く、その余白を選手に任せる手法でチーム作りを進める日本においては、選手のキャラクターに依存する部分が多い。今回露呈した問題も、3バックの構成が違っていれば起こらなかった可能性もある。しかし、1試合でこれだけ同じかたちでピンチを招いたことは、今後の修正点として挙げておくべきだろう。