<センバツ>実った「雪上ノック」札幌大谷二塁手・釜萢の好守でピンチ脱し
◇第91回選抜高校野球 ○札幌大谷4-1米子東●(24日・甲子園) 二遊間に飛んだ鋭い打球を正面で捕球すると、二塁ベースに入った遊撃手・北本へトス。球は一塁へ転送され、流れるような併殺を完成させた。3点リードの五回1死一、二塁、札幌大谷は二塁手・釜萢の好守でピンチを脱した。 【今大会の全ホームランを写真特集で】 中堅に抜けてもおかしくない打球を、釜萢は飛びつくのではなく、左膝を地面につけるほど余裕を持って捕った。左打者・山内の3球目に外角シュートを要求する捕手のサインを見て「センターラインに打球が飛ぶ」と予測し、とっさに二塁ベース方向へ2歩動いていた。「トスを投げるイメージまでできて守っていた」と明かす。 チームは昨秋の公式戦12試合で17失策し、うち15失策が内野陣。1年生の春から正二塁手の釜萢も4失策していた。内野陣は昨年12月末から約1カ月間、週末に「雪上ノック」に取り組んだ。踏み固めた雪をトンボでならすが、不規則なバウンドも多い。あらゆる弾み方を想定することで対応力を磨いてきた。 ノッカーの五十嵐部長は駒大苫小牧時代、2004、05年に夏の甲子園連覇した時の三塁手で、「雪上ノック」を受けてきた。「寒い中でやることで、これ以上しんどいことはないと思えて試合が楽になる」と説明する。初めての甲子園で、地に足の着いたプレーを見せた札幌大谷の選手たち。明治神宮大会覇者の成長は止まらない。【安田光高】