「AIスーツケース」スーツケース型ロボット 大阪・関西万博で実証実験
アルプスアルパイン、オムロン、清水建設、日本アイ・ビー・エムの4社が正会員として活動する「一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム」は29日、2025年日本国際博覧会の会場内で、視覚障がい者向けナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験に取り組むことを発表した。 【画像】「AIスーツケース」利用イメージ 日本科学未来館が中心となり開発を進める特別モデルの「AIスーツケース」を、コンソーシアムが長期間、複数台同時に運用する計画。 「AIスーツケース」は、視覚に障がいのある人を目的地まで自動で誘導することを目的に開発されているスーツケース型ロボット。これまで、コンソーシアムと未来館が相互に技術協力を行うことで、大型ショッピングモールや新千歳空港、未来館などの屋内施設や、未来館から最寄り駅までの屋外空間などで、一般ユーザーによるナビゲーション技術の実証実験を行ってきた。今年4月からは、未来館で毎日定常的に試験運用を行い、より多くの実証データを蓄積することで、人混みでの誘導や障害物の回避などのナビゲーション技術のさらなる向上に取り組んでいる。 大阪・関西万博では、「未来社会ショーケース事業」の「スマートモビリティ万博」領域において、会場内で次世代の様々なロボットを実装・実証する「ロボットエクスぺリエンス」の展開が計画されており、「AIスーツケース」が参加予定者の一つとして採用された。 段差の乗り越え機能を強化した新車輪機構や、低位置の障害物も認識するセンサーを新たに追加するなどの改良を重ねた屋内外共通利用型の万博特別モデルを未来館が中心となり開発し、コンソーシアムが実証に用いる計画。 会場内で複数のAIスーツケースを長期間にわたり同時に運用することで、社会実装に向けた運用モデルの技術的な課題を洗い出すなどの検証を行う予定。具体的な運用期間やエリアなどは、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と調整を進めていく。