91敗西武が抱える“ジレンマ” 拠り所は大ベテラン…球団幹部が吐露する現状
広池球団副本部長兼編成統括「出ずっぱりになって難しかったと思う」
NPBで来季、中村剛&栗山コンビより年上で現役続行が確定しているのは、4学年上にあたるヤクルト・石川雅規投手ただ1人。 契約更改交渉に当たった広池浩司球団副本部長兼編成統括は「中村は体さえ万全なら、まだまだやってくれると思うけれど、今年は出ずっぱりになった時期があって、体調を整えるのが難しかったと思う」と指摘した。長打力に陰りは見えないが、さすがに毎日スタメンで出るのは年齢的に酷だろう。 「中村と栗山はあれだけのレジェンドですから、いつまでも現役でやってほしいという思いがありますし、ファンも同じだと思います」と広池氏。一方で「彼らを追い越すような若手に出てきてほしいのも事実。どっちとはなかなか言えないですし、両方を求めていきたいです」と複雑な表情を浮かべ、「2人は素晴らしい姿を見せてくれているので、むしろ(若手に)中村や栗山の練習を見て感じてほしい」とも付け加えた。 中村剛は「今まで目標を立てることはあまりなかったです。ホームランをいっぱい打ちたいとか、おおざっぱな目標しか立ててこなかった。来年もそんな感じで“適当に”やりたいなと思います」と穏やかな笑みを浮かべるばかり。ただ、「ある程度試合にさえ出られれば、まだ本塁打を量産する自信はあるか?」と聞かれた時だけは、「その自信がなければ、辞めていると思う」と少しだけボルテージを上げたように見えた。 ベテランコンビ健在は頼もしい限りだが、それだけではV奪回は覚束ない。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki