離婚後の「共同親権」に賛否 「“温厚な紳士”元夫がDV」「再び支配されるのでは」…不安にどう応える?【#みんなのギモン】
■親権をめぐる調停・審理は年々増加
桐谷キャスター 「そういった不安の声も多いようですが、対策はあるんですか?」 小野解説委員 「DVや虐待への裁判所の対応について見てみます。最高裁によると、全国の家庭裁判所が扱った子どもの親権をめぐる調停や審理の件数は年々増えています。2020年は合わせて5098件で、審理期間も長くなる傾向にあり、同年は平均で8か月ほどです」 河出奈都美アナウンサー 「平均なので、8か月よりもっと長い人がいるということだと思いますし、子どものこととなるといろいろと主張もありますし、お互いの譲れないものがぶつかり合って、長くなっていってしまうのかなと思います」
■共同親権の導入で家裁の負担は増
小野解説委員 「それだけ親権はもめる案件なんですよね。離婚後の共同親権が導入されれば、家庭裁判所の負担はさらに増えることが予想されます。衆院法務委員会の審議では『家庭裁判所の体制は不十分で、被害を見逃す恐れがある』という指摘も出ました」 「専門家に聞きました。早稲田大学の棚村政行元教授は『共同親権という選択肢ができるのは大きな改革だ。だが現段階の法案で施行するのであれば、家庭裁判所の体制を充実させていかないといけない』と話しています」 「これについて衆院の審議では、最高裁が『家庭裁判所の処理能力の向上を図ることも検討する』と答弁しています。例えば、裁判官と同じ権限で一部の弁護士が調停にあたる、現在もある『家事調停官』を増やすことを考えているとのことです」
■過去に離婚…共同親権に移すのは可能?
小野解説委員 「法案は19日にも参議院で審議入りし、今の国会で成立する見通しです。成立すれば2026年度頃をめどに新しい制度が始まる見通しです」 森アナウンサー 「過去に離婚して単独親権だったパターンで共同親権に移すことはできるんですか?」 小野解説委員 「今審議している法案でどうするかはまだ決まっていません。ただ、今でも親権をめぐって不満がある場合、申し立てて変更することは可能です。これと同じことで、過去に離婚した人が『共同親権にしてほしい』と申し立てることは可能だと言えます」 鈴江アナウンサー 「それぞれのケースでいろいろな思いも事情もあると思うので、それぞれに寄り添った判断がされる体制がとにかく整うことを望みたいですね」 小野解説委員 「『親と会って話し相手になってほしい』という、子どもたちの気持ちがとても大事です。一方で、弱い立場にある親や子どもたちの不安を招くことのないよう、国会で審議を尽くす必要があります」 (2024年4月17日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。 お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。 #みんなのギモン https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html