離婚後の「共同親権」に賛否 「“温厚な紳士”元夫がDV」「再び支配されるのでは」…不安にどう応える?【#みんなのギモン】
■面会交流しやすく、養育責任を両親に
桐谷美玲キャスター 「子どもの利益を守るためという通り、子どもの気持ちがとても大事になってくると思います。導入されると、具体的にはどのように変わるんでしょうか?」 小野解説委員 「共同親権を導入する狙いは、離婚後に子どもと疎遠になり、もっと関わりたいと思っている親たちの声に応えて子どもとの面会交流を行いやすくするのが1つです。そして、一方の親が負担を1人で負うことなく、子育てが両方でできるようにするのも狙いです」
■法案では養育費についても規定
「今回の法案では、共同親権の導入と合わせて養育費についても定められています」 「『先取特権』として一定の条件があれば素早く養育費の差し押さえができるようにしたり、離婚時に合意や取り決めがなくても、養育に必要最低限の金額(法定養育費)を計算して相手に請求できたりする制度にしようということです」 森圭介アナウンサー 「母親が8割以上親権を取り、男性が親権を持っていないパターンが多いということです。私の友人にも、養育費は払っていてもなかなか子どもに会えないんだという人もいます」 「離婚後に友好的な関係を保てていればまだいいんでしょうけども、そうじゃないケースも多いですもんね」
■日テレの情報提供サイトに届いた声
小野解説委員 「そうなんです。離婚の原因が夫婦間の関係悪化やトラブルの場合、心配なことがあります。日本テレビの情報提供サイトには、さまざまな声が寄せられています」 「例えば、『常識的な会話ができないから離婚したのに、相手が共同親権を求めたらまた話し合うなんて無理』というものです」 「『裁判所に判断してもらえればいいというけれども、一般の子育て中のシングルマザーが家事・育児・仕事に加えて、調停や裁判に対応するような経済的・精神的・時間的な負担が大きいことを知ってほしい』という訴えもあります」
■DVや虐待の恐れあれば「単独親権」に
小野解説委員 「こういう意見もありました。『夫の言葉の暴力がひどくて、子どもを連れて家を出た。離婚調停を経て離婚しました。元夫が共同親権を求めて裁判所が認めたら、元夫から再び支配されるんじゃないかと心配です』」 「もちろんこうしたことも想定されていて、法案では DV や虐待の恐れがある場合、家庭裁判所は単独親権にしなければならないとしています。ただ、それに対して心配の声もあります」 「『元夫からDVを受けていました。その元夫はご近所や職場では温厚な紳士として振る舞う人でした。裁判所がちゃんと判断してくれるのでしょうか?』というものです」 鈴江アナウンサー 「確かに家庭の中は見えづらい、ある意味ブラックボックスに近い状況です。実際にどちらの言い分を家庭裁判所が信じるのか、公正に正しく判断されるのかという不安が拭い去れないのは、すごく理解できますね」