唐沢寿明、45年のキャリアで得たさまざまな“顔” 異色のヒーロー役も期待できる説得力
『ラヂオの時間』『20世紀少年』など映画のヒット作も多い唐沢寿明
映画では、『ラヂオの時間』(1997年)や『みんなのいえ』(2001年)といった三谷幸喜監督・脚本作に主演したほか、2008~2009年には『20世紀少年』シリーズに主演して、多くの観客を釘付けにした。3部作で公開された同シリーズは日本中でブームとなり、唐沢といえば『20世紀少年』のケンヂ役のイメージが強い人も多いのではないだろうか。 また、2015年の『杉原千畝 スギハラチウネ』では、第二次世界大戦中にナチスによる迫害から逃れるユダヤ人のために独断で日本通過のビザを発行して、6000人あまりのユダヤ人を救った実在の外交官・杉原千畝を熱演し、感動を呼んだ。 さらに、2017年には映画版も公開された『THE LAST COP/ラストコップ』シリーズ(2015~2017年/日本テレビ系)や、『ボイス 110緊急指令室』シリーズ(2019~2021年/日本テレビ系)などの代表作ドラマもある唐沢。筆者は、何度か彼にインタビューする機会を得たことがあり、2023年にシーズン1~3が放送された、WOWOWの連続ドラマW『フィクサー』出演の際のインタビューでは、トレンディ俳優のイメージから脱却した頃の苦労についてや、還暦を迎えた心境などを語っていたのが印象的だった。 1980年から芸能活動をスタートさせた唐沢のキャリアは約45年。『プライベートバンカー』は、そんな唐沢の演技力が集約されているような、さまざまな側面を持つ魅力的なキャラクターを快演する彼の姿が見られるドラマだと期待している。
清水久美子