「愛しているフリ期間」を設けることが関係改善への「第一歩」…夫婦仲を取り持つために演じるべき「良いパートナー」像とは
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第38回 『離婚調停には「ボロボロ」車と安物時計で登場…離婚カウンセラーが経験した元“夫”のずる賢い手口』より続く
「女優になりましょう」
相談に来た女性に、よく「女優になりましょう」とお話ししています。 夫婦関係の改善には、演技が必要です。離婚を考えるまで関係がこじれているのなら、いまさら100パーセントの愛情を注ぐことも難しいと思います。でも、「愛しているフリ」なら何とかできたりします。 俳優が役にあわせて演技をするように、愛している「フリ」をするだけでも、パートナーの態度が変わってくるものです。 逆に、相手のことを愛していても、その気持ちを伝えなければ、相手との関係はよくなりません。愛情も「伝え方」の問題が大きいのです。
関係改善へのスパイラル
こう言うと、「一生演技をして自分の本当の思いを我慢するのか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。 半年から1年間くらいを「関係改善のための期間」と位置付け、努力してみましょう、ということです。 それくらいの期間でも、一生懸命に取り組んでいると、パートナーの態度が変わり、関係改善を実感できます。そうなると気分がいいので、パートナーへの態度がさらによくなります。こうして関係改善へのよいスパイラルが生まれるのです。 逆に、一定期間がんばってみて「やっぱり離婚すべきだ」と思うことがあります。それはそれでいいのです。 そうやって決心がつけば、離婚を後悔することもありません。
相手に必死さを伝える
ただ、「演技をしろ」と言われても、抵抗がある人もいると思います。 自分のもともとの言動と違う振る舞いも、ときには必要になりますし、効果的です。 パートナーにはずっと上から目線だったのに、急に低姿勢になれと言われて、うまくできないこともあると思います。 うまくできなくてもいいのです。一生懸命取り組むことで、相手に必死さが伝われば、それが関係改善への大きな力になります。 『愛される《人気者》になるために「容姿」や「経済力」よりも大切にすべきこと…マスターすればあなたの印象がガラッと変わる「気持ちの良い一言」』へ続く
岡野 あつこ(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー)