「あなたのせいで自殺する」こんな脅しも暴力 中高生が学ぶ、デートDVの危険度 みんなで考える 思いやりのカタチ
交際中のカップルの間で起こる暴力は「デートDV」と呼ばれるが、どんな言動が当たるのかは、大人でも知らない人が多そうだ。振るうほうに悪気がなかったり、振るわれたほうが恋愛感情に流されたりすると、加害や被害に気づかず、深刻なトラブルにもなりかねない。中高生のころから客観的な指標をもとに、デートDVの危険度を学んでもらおうと、啓発教材を作った企業がある。担当者の思いを聞いた。 【画像】いくつ該当する?「セイシル」が制作した「デートDVチェッカー」 ■性教育メディアが制作 「デートDVチェッカー」という啓発教材を作り、昨年から教育現場などに配布しているのは、10代向けの性教育ウェブメディア「セイシル」を運営するTENGAヘルスケア(東京)だ。 5年前に始めたセイシルには、産婦人科医や泌尿器科医ら約80人の専門家が医療監修などに協力。若者からの性の悩みを受け付け、複数の専門家が回答する「モヤモヤ相談室」と、性に関する正しい情報を発信する「性知る?」のコーナーがある。 デートDVチェッカーは、「性行為を強要される」など、深刻な相談がセイシルに寄せられたことがきっかけとなり制作した。 セイシルによると、DVにあたるのは一般的に、①身体的(殴る、蹴るなど)②精神的(どなる、ばかにするなど)③経済的(仕事をやめさせる、お金を返さないなど)④性的(避妊具の拒否など)な各種暴力と、⑤行動の制限(束縛、監視など)-の5種類。しかし親密な関係であれば、どこからがDVに当たるのか自覚するのは難しい。 高校の保健体育教員の経歴があり、現在は同社でセイシルの運営に携わる福田真央さんは、「交際相手にスマートフォンの写真やSNSの内容をチェックされたり、常に居場所を教えてといわれたりする子もいる。それが愛情や信頼に基づく言動なのかどうか、恋愛の真っただ中にいると判断できなくなるからこそ、デートDVがどのようなものか中高生から知っておいてほしい」と語る。 ■パリの事例ヒントに 教材作成の参考にしたのが、2019年にフランス・パリ市が開発した「暴力チェックメーター」だ。