「足を引きずる猫がいる」 高速を飛ばしてその街へ 断脚手術後、家族に迎えた 「心細かった幼いころ、私のそばには猫がいてくれました」
2024年7月、埼玉県在住の桃丸さん(@momomaruke)は、たくさん猫の捨て場を見つけたことがきっかけで保護活動を始めました。猫たちを救い、TNR活動にも力を注いでいます。その中で、特に心に残るのが、足を引きずりながら必死に生きていた風ちゃん(2歳・メス)との出会いです。 【写真】体をスリスリして風ちゃんに甘える猫 桃丸さんはある情報で「足を引きずっている猫がいる」と聞き、高速を飛ばして深谷まで向かいました。現地で出会った風ちゃんは、予想以上に足がひどい状態でした。カラスに怯えながらも、人懐っこく、呼ぶとふらふらと近寄ってきました。人懐っこい猫は、虐待目的の人にもすぐに懐くので、桃丸さんは強い危機感を抱き、保護を決意しました。 保護された風ちゃんはすぐに病院へ直行し、断脚手術を受けることに。 「最初は里親を探す予定でしたが、風ちゃんは他人を極度に怖がり、夫でさえも近づけないほどでした。彼女が外でどれほど恐怖を感じながら生きてきたのかを考えると、これ以上の辛い思いをさせたくないという気持ちが芽生え、我が家で穏やかに過ごさせてあげたいと思い、家族に迎え入れることを決めました」 風ちゃんの名前は深谷のゆるキャラ「ふっかちゃん」から仮に「風夏(ふうか)」と名付けられました。また、「風のように3本足で駆けられますように」という願いも込められています。 風ちゃんはとても愛情深く、優しい性格だといいます。桃丸さんが保護した子猫たちの面倒もよく見てくれて、夫婦のそばに寄り添います。 桃丸さんにとって、猫は幼少期からの大切な家族です。小学生の頃、母を亡くして心細かった桃丸さんと弟さんにとって、猫はいつもそばにいてくれる心の支えでした。「そんな優しい猫たちに恩返しがしたい」という想いが、今の保護活動につながっています。風ちゃんとの出会いもまた、そんな桃丸さんの優しさと決意がもたらしたものといえるでしょう。 (まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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