映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の四)
⑧ノロのコーヒーポーター
飲み比べの最後。プラコップに注ぐと、香りからコーヒーがダイレクトに届く。「ノロは花火師の息子で白痴なんですね。ハンディがありながら必死に頑張っているのに人生の見通しが暗いから黒いコーヒーポーターなんですかね」と須藤さん。
実は、これは映画を見ていないとわからない。ノロが見つけた「くぅれみず(黒い水)」が映画の重要な役割を演じているからだ(黒い水が何かは映画を見て確認してください)。「チームのお荷物が活躍するのはエンターテインメントの基本。私が手掛けてきたチームスポーツ物でも基本であり、王道です」と須藤さん。
2日間に分けて実施した11種類のビールの飲み比べがついに終わった。映画や小説でいえば大団円を迎えた。満足感と達成感が体の中に充満する。いい映画を見た後のような気分だ。皆さんも『十一人の賊軍』とそのコラボビールをぜひ。飲んでから映画を見るも良し、僕のように見てから飲んでも良し、ですよ。(この項終わり)
■鈴木 学(すずき・まなぶ) サンケイスポーツWEB編集長。第1次東京五輪世代(第2次は2021年に誕生した)。1993年2月にサンスポの競馬担当となり、2年間のブランク(運動部デスク)を挟んで競馬にどっぷり漬かっている。現場記者時代は紙上で予想コラム「鈴木に学べ」を連載も、たまに「鈴木が学べ」に。現在は、「サンスポZBAT!競馬」にてWEB限定長編予想エッセー「居酒屋ブルース」を連載中。競馬は仕事で、クラフトビールの飲み歩きが趣味。