映画『十一人の賊軍』のコラボビール十一本を飲む(其の四)
W主演の山田孝之と仲野太賀が躍動する、新たな集団抗争劇!
圧倒的不利な砦の護衛ミッションに挑んだ十一人の決死隊。
新発田藩、旧幕府軍、新政府軍…三者の思惑が交錯するなか、十一人の壮絶な戦いが始まる!
命を燃やし権力に抗った者たちの姿に心がアツくなる、今の世の中にも通じる衝撃作!>
コラボビールに名前がついているのは<圧倒的不利な砦の護衛ミッションに挑んだ十一人>というわけです。「つまり、飲んだビールをこの登場人物にした理由を考察すればいいんですね」と須藤さん。そうです。試写会でいただいたパンフレットと、ビールセットに入っていた「十一種のクラフトビール」のラインアップを渡し、飲む順番を決めてもらった。
須藤さんが提示した順番は以下の通り。
①「鷲尾兵士郎のペールエール」②「政のヴァイツェン」③「おろしやのホワイトエール」④「赤丹のレモンエール」⑤「二枚目のマスカットエール」⑥「辻斬のベルジャンホワイト」⑦「なつのピーチエール」⑧「ノロのコーヒーポーター」
王道といえる正統派クラフトビールから始めて変化球へと続く、か。なるほどと思わせるセットリストだ。
「凝ったことをやるもんですな」と感心している須藤さんとビアフライト(飲み比べ)がスタートした。
①鷲尾兵士郎のペールエール
「おいしいですね。モルティーでそれなりの苦みもあり、これぞクラフトビールですね」と須藤さん。確かに王道のクラフトビールといえる。「実直ですね。けれんみがない」。まるで映画の鷲尾兵士郎を言っているようにも聞こえる。
「パンフレットには鷲尾兵士郎のことを<旧政府軍の同盟軍として新政府軍と戦おうとしない新発田藩に不満を募らせる>とありますが、まさにこのビールのようですね。現行の日本の大手ラガービールに不満を募らせて、そのカウンターとしての正統派クラフトビールがこれ。まさにアンチテーゼとしての正統派です」
さすが小説家。その表現力にうなった。