これぞハイレベルな攻防! 競輪界屈指の“先行屋”たちのプライドが激突! 犬伏湧也「松井さんと力勝負がしたかった」松井宏佑「光栄ですね」
熊本競輪場の「第69回JC×HPCJC(FI)」が3日に初日を開催。S級特選12Rで激しい主導権争いを演じた犬伏湧也と松井宏佑に話を聞いた。 新田祐大を筆頭に豪華メンバーが集結し、全員が自力で動ける7人が激突した初日特選。松井宏佑-岩本俊介、伊藤旭-北津留翼、犬伏湧也-河端朋之でラインが形成され、新田が単騎戦。特に輪界屈指の自力選手として鳴らす松井と犬伏のバトルに注目が集まった。 松井と犬伏は23年7月の函館サマーナイトフェスティバル準決勝で初対戦し、今年7月の松戸サマーナイトフェスティバル最終日が6度目の対戦だった。後ろに大物がいたり、踏み合う形が多かったのだろう。どちらかが2着以内に入ったのは1度もなく、先着回数は松井が4回で犬伏が2回。最終バック数は犬伏が3回で松井が2回(残り1回は23年12月伊東記念初日特選で捲った山田久徳)。7度目の対戦になった両者のコメントを中心にレースを振り返りたい。
号砲が鳴り、北津留がスタートを奪取して伊藤を迎え入れた。1番車の松井が3番手に入り、単騎の新田が松井ラインを追う形で5番手。3、6番車だった犬伏が後ろ攻めになった。 犬伏:車番的にも後ろからになるだろうと。まずはしっかり斬って。それからって考えてました。 言葉通りに犬伏が赤板過ぎに先頭に立って伊藤が車を下げた。そこですかさず松井もアクションを起こす。打鐘前に犬伏を叩くと、切り替えていなかった新田も岩本と折り重なるように3番手に続いた。 松井:いい感じで出られたんですけどね。ちょっと読みが違った。緩い感じで行けば旭君が犬伏君をフタするだろうと思ったんですけど。旭君が下げて、犬伏君が4番手にいるのがわかった。仕掛けてくるだろうなぁ、って感じでしたね。 犬伏:とにかく松井さんと力勝負がしたかった。着関係なくと言ったらあれなんですけど、勝つか負けるかの勝負をやりたかった。新田さん? 新田さんは単騎だったので、松井さんとです。松井さんが緩めずに行っていたら4番手でもいいかなと思ったけど、緩んでいる感じがあったので。思い切って仕掛けました。 両者の言葉通り、打鐘過ぎの2センターから犬伏が猛烈にスパート。この動きに河端がやや遅れ気味の形で追いかけた。松井も犬伏を2度、3度と見ながら応戦してホーム線を先頭で通過したが、勢いがついていた犬伏の方が最終2コーナー手前で前に出た。見ていたファンは脚をためていた新田のひと捲りだと思っただろう。