「日本沈没」70年代の原点を振り返る 共通する社会不安もドラマ好調の要因か
70年代のロケ現場に遭遇 現在はCGで迫力演出か
14日放送の第5話では恐れていた関東沈没が始まり、沿岸部にいた天海(小栗)と椎名(杏)も巻き込まれるという。さらに天海の妻・香織(比嘉愛未)と娘・茜(宝辺花帆美)、椎名の母・和子(宮崎美子)らが乗る避難バスはトンネル崩落事故に巻き込まれる。未曾有の危機の渦中で東山総理(仲村トオル)は総理官邸の災害対策本部から国民に向け全力の対応を約束。常盤(松山ケンイチ)ら日本未来推進会議のメンバーは不安を感じながらも、東山総理の指示のもと被害状況の把握や被災者の救助などの対応にあたる。 また、今回は地上波だけでなくネットフリックスが世界配信をしておりCGなどにも潤沢な予算をかけられるという。筆者は70年代ドラマ版のロケ現場に居合わせた。75年2月23日にオンエアされた第21話「火柱に散る、伊豆大島」の回だが、撮影は千葉県富津市の海水浴場で明るい昼間に行われた。ヒロイン阿部玲子役の由美かおるが水着の上にバスタオルを羽織って長いあいだ出番待ちをし、撮影が始まると砂浜で倒れて助け起こされる演技をしたのだが、なんとオンエアでは夜の伊豆の海となり噴火の火柱に逃げ惑う迫力ある場面に化けた。それが現在はCGの技術でいとも簡単に災害の場面も作れてしまう。「日本沈没」といえば欠かせない災害の場面を最新技術でどう描くかも注目ポイントの一つだろう。 (写真と文・志和浩司)