パリ五輪補欠からの快進撃! 世界の頂点に立った“アフロ怪人”山崎賢人「GIとりたい」/競輪祭・インタビュー前編
世界選手権・男子ケイリンで金メダルを獲得した山崎賢人選手(31歳・長崎=111期)。日本勢37年ぶりの快挙でした。リザーブ(補欠)だったパリ五輪から一転、世界の頂点へ。今後の進退は果たしてーー。前編では「競輪」においても頂点を目指す山崎賢人選手の軌跡をお届けします。(取材・文=アオケイ・八角あすか)
■自分の力だけじゃない“みんなで獲った”金メダル ーー世界選手権、金メダル獲得おめでとうございます! 反響も大きかったと思います。1か月が経って、改めて今のお気持ちを聞かせてください。 会う人、会う人に喜んでもらえて嬉しいですね。自分の力だけじゃ獲れませんでした。ジェイソンヘッドコーチ、ブノワ、HPCJCのスタッフみなさん、Kドリームス、いつもサポートしてくださるみなさんが応援してくれて獲ることができたメダルだと思うので。 僕たち選手は表に出て、しっかり結果を出さないといけない立場。でも、表に出ない人たちが沢山いて、現地にいなくても色々なところでサポートをしてくれる人がいるということをナショナルチームに所属してからは本当に実感していて。その人たちの頑張ってきた成果を、僕たち選手が結果で出さないと。今回、金メダルという結果で、やっと形にできたのがすごく嬉しいです。 「自分が獲った」っていう実感はないですね。「みんなで獲った」金メダルだと思っています。
ーーゴールの瞬間や表彰式ではどんな気持ちだったのでしょうか? コロンビアの選手を抜いてギリギリでもなく先頭でゴールできたので「あ、これ優勝しちゃったなー!」って感じで。お客さんも盛り上がってくれていて「何かパフォーマンスしなきゃ」と冷静でした。表彰式で日の丸が掲げられて国歌斉唱を聞くことができたのも嬉しかった。表彰台の前でスタッフのみなさんがはしゃぐ姿を見て、もっと嬉しくなりましたね。 ーー同日、窪木一茂選手もスクラッチで金メダル。同部屋だったそうで、その晩は大興奮だったのでは? 翌日も窪木さんはレースがあったし、ほどほどに(笑)。でも、あの日、ケイリンの後に窪木さんのレースがあって。僕がレース直後にインタビューを受けていたら、スタート前のアップエリアでグルグル周回していた窪木さんが「けんてぃーおめでとー!」って叫んできて。嬉しかったけど「次、レースなのに大丈夫なのかな?」ってハイテンションぶりに少し心配になりました(笑)。 ーーそんな窪木選手も山崎さんの金メダル獲得で「自分も!」と奮起したのでは? そのまま押し切っちゃいましたもんね。強い勝ち方でした。