バイデン氏、カマラ・ハリス副大統領支持で浮動票はどうなる?「トランプ氏を絶対に当選させたくない女性と、マイノリティが多い若者の関心を飛躍的に高める可能性はある」
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。 7月24日(水)のテーマは『アメリカZ世代「誰が候補でも民主党に投票する」』。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、バイデン氏撤退後のアメリカ大統領選の行く末について語り合いました。
◆バイデン氏撤退後の民主党に票は集まる?
7月21日、アメリカのジョー・バイデン大統領が、11月の大統領選から撤退すると突如として表明。バイデン氏は自身に代わる大統領候補として、カマラ・ハリス副大統領を推薦する意思を示しています。ABCやCBSなどのネットワーク局は日曜午後のスポーツ中継などを中断して特別報道番組を放送、世界中に衝撃が走りました。 アメリカは大統領選まであと3ヵ月あまり。トランプ氏の暗殺未遂事件、続く共和党大会でヴァンス副大統領候補が指名され、勢いにのる共和党に対し、現職バイデン大統領のコロナ感染をきっかけに、出馬を取りやめるべきという声が高まっていました。 コロナ感染してからのバイデン大統領は自宅で自主隔離。そのあいだ彼に一番近い位置にいる政治家が、バイデン氏に撤退を促す発言をするようになり、時間の問題かと思われていましたが、これほど早い撤退への決断にはアメリカ人もメディアも驚いたことでしょう。 バイデン氏も推薦するカマラ・ハリス氏が最有力候補ですが、現時点ではまだ何も決定していません。アメリカZ世代で構成されたラボメンバーのなかには「バイデンよりはずっといい」と期待を寄せる声もあります。一方で、「元気なら誰でもいい。バイデンが集めた選挙資金をそのまま受け継げるのは大きなプラスだと思う」という冷静な意見も出ました。 ラボメンバーには以前、「もしバイデン氏の代わりに新しい候補者が立ったら、有権者はその人に投票すると思いますか?」という質問をしていました。回答をご覧ください。 メアリー:ありえると思う。今みんなパニックになっているでしょう? だから、普通っぽい新しい人が出てきたら票を集めるかもしれない。ある世論調査で人々にバイデンに投票する理由を聞いたら、「バイデンがいいから」という人は3割程度で、残りは「トランプではないから」と答えたんだよね。 ミクア:もしバイデンの代わりが出てきたら、その人に投票するよ。もっといい候補者が出てくるかはわからないけれど。 シャンシャン:私は民主党支持者なので、バイデンでも代わりの誰かでも民主党に投票するつもり。 メアリー:私も。誰であっても共和党以外、つまり民主党に投票する バイデン氏に代わる候補者が誰であっても投票する。その理由は民主党所属で、トランプ氏ではないから、というのがラボメンバーの意見です。 以前の記事でも紹介した通り、トランプ氏もバイデン氏も拒否したいから投票を棄権する、あるいは第三党の候補への投票を考える若者もいます。 「そういう人の多くは4年前にはバイデン氏に投票しています。つまり、今回彼らが投票しないことで、トランプ氏が有利になります。なぜなら、トランプ氏の支持層はもう固まっていて、不動だからです。それもあって、今回はトランプ氏が有利と考えられていましたが、バイデン大統領が撤退した今、その状況も変わってくるかもしれません」とZ世代専門家のシェリーは説明しました。 カマラ・ハリス副大統領は女性で人種的マイノリティです。そういう意味では、浮動票のなかでも、トランプ氏を絶対に当選させたくないという女性とマイノリティが多い若者の関心を飛躍的に高める可能性はあります。一方で、年配白人男性の支持を得られるのかという疑問の声もありますが、それは副大統領候補を誰にするか次第で変わってくると考えられています。