本が売れない時代、選書にこだわった「独立系書店」どう継続する?…福岡市で「ブックオカ」トークイベント
選書にこだわった小規模な「独立系書店」の店主らによるトークイベント「書店員ナイトin福岡」が8日夜、福岡市中央区のカフェで開かれた。本離れが進む中、個性的で地域に根ざした書店をどう継続していくか意見を交わした。 【写真】3万冊そろえた「ブックホテル」…ベッドを囲むように多くの本が並ぶ客室
同市の書店や出版社の有志らでつくる実行委員会が本にまつわる多彩なイベントを展開する「ブックオカ」(23日まで)の一環。
トークイベントには、実行委員長で、独立系書店の先駆けとして知られる同市の「ブックスキューブリック」代表、大井実さん(63)ら5店の店主やスタッフが登壇。行事に参加するなど地域との結びつきを大事にすることや、客層を意識しつつ、自らの関心のある本や多様な人が手に取りやすい本を選んで取り扱っていることを紹介した。
実行委によると、福岡県内ではここ5年ほど、独立系の出店が相次いでいる。大井さんは「東日本大震災以降、好きなことをやりたいという人が増えたことが背景の一つ」とし、「かつてより本が売れない時代。覚悟が必要だが、書店という場所や雰囲気に引かれる人は確実にいて、購入する若い人もいる。ファンをどう集めるかが課題だ」と話していた。