早大、100回目の「早明戦」死闘制した 五郎丸以来17年ぶり全勝V/関東対抗戦
関東大学ラグビー対抗戦最終日(1日、国立競技場)定期戦100度目の節目を迎えた対抗戦伝統の早明戦は、4万人を超える観衆の前で激しい攻防となり、早大が27-24で競り勝った。7戦全勝として2007年以来17年ぶりの全勝優勝、6年ぶり24度目の対抗戦制覇を果たした。HO佐藤健次主将(4年)が引っ張るチームは、ディフェンスで高いプライドを持つまでに成長。終盤の明大の猛攻をしのぎ、定期戦通算56勝2分け42敗とした。全国大学選手権は21日の準々決勝(秩父宮)から登場し、19年度以来の頂点を狙う。 わずか3点のリードで迎えた後半ロスタイム。早大は自陣深くで明大の猛攻を浴びた。トライを許せば逆転負けという土壇場で、〝アカクロ〟のジャージーは、紫紺と白のジャージーに突き刺さり続けた。最後は明大WTB海老沢を、SO服部とWTB田中健の1年生コンビでタッチに押し出し、11次まで続いた攻撃をしのいだところで勝利を告げる笛が鳴った。 「80分間、ずっと明治の流れだった。横とのつながりを切らさず、最後まで守り切れた」 HO佐藤主将の目には光るものもあった。 「去年、一昨年は大差で敗れ、こんなはずではと思っていた。当時の4年生の顔がフラッシュバックした。今年、試合に出られていない部員のことも頭をよぎったので」 元主将で、就任4季目の大田尾竜彦監督(42)も感無量だ。「100回目にふさわしい戦いだった。全勝優勝は五郎丸が4年のとき(2007年)以来ですか。最後はやっぱりディフェンスだった」。この日NHKテレビの解説を務めた、佐賀工高の後輩でもある五郎丸歩氏(38)の名を挙げて喜んだ。 1923年に始まった早明戦。72年の早大・宿沢広朗と明大・松尾雄治のSH対決がラグビーブームの呼び水となり、87年の〝雪の早明戦〟は旧国立競技場を6万人の大観衆で埋めた。「横の早稲田」「縦の明治」と好対照な戦いぶりで、国内スポーツ屈指の人気カードになった。 そんな宿敵に早大は昨年の99戦目まで2連敗。何かを変えなければと昨オフ、大田尾監督らは選手たちから無記名のアンケートを採った。コーチ陣からの上意下達的な指導に「自分たちのチームと思えない」という、厳しい意見もあった。