事故のチェジュ航空機48時間で13回運航 年末の過密日程が影響か
【ソウル聯合ニュース】韓国南西部の務安国際空港で発生したチェジュ航空機の事故で、乗客のほとんどが韓国旅行会社が販売したツアー商品のチャーター便の利用者だったことから、チャーター便を利用した旅行商品に対する懸念の声が出ていることが30日、分かった。 業界関係者の間では年末の繁忙期に航空各社がチャーター便を強引に編成したかどうかを調べる必要があるとの声が出ている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が一時宣言した「非常戒厳」などに端を発する混乱で韓国通貨ウォンが対ドルで下落し、消費者心理が悪化するなか、航空会社と旅行会社が余裕のない日程を組んだのではないかとの見方も出ている。 航空・旅行業界の関係者によると、事故が起きた旅客機は3泊5日の日程でタイのバンコクを訪れるツアー商品の帰国便だった。 旅行会社の関係者は、地方空港は定期便がほとんどなく、チェジュ航空など格安航空会社(LCC)のチャーター便が多いと説明した。 チェジュ航空は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年から22年まで3年連続で営業損失を計上。コロナの収束にともない23年に売上高と営業利益がそれぞれ過去最高を記録した。 事故が発生した旅客機は事故直前の48時間で13回運航していたことが分かり、チェジュ航空と旅行会社が年末の繁忙期の需要を確保するため無理な運航をした可能性が指摘されている。 またチェジュ航空の報告書によると、今年7~9月期に同社が保有する旅客機1機当たりの月間の運用時間は418時間で、韓国の航空6社のなかで最長だった。 同じLCCではジンエアーが371時間、ティーウェイ航空が386時間だった。またFSC(フルサービスキャリア)の大韓航空は355時間、アシアナ航空は335時間だった。 旅行会社が年末の実績のために無理に集客をしたのではないかとの指摘も出ている。 ある大学の観光学科の教授は、チャーター便で実績を積めば航空会社から割引や座席確保などで優遇されるようになるため、旅行会社がやや無理をして集客した可能性があると指摘した。 旅行会社の関係者はこのような指摘に対し、旅行会社は航空会社の運営に関与することができず、望んでも過度に運航回数を増やせるシステムではないと反論した。 チェジュ航空も今回の事故について、過密スケジュールによる整備不良が原因ではないという立場を示した。 同社は29日に開いた記者会見で「無理な運航とはいえない」とした上で、計画された日程に合わせて徹底した整備を行っており、運航前後の整備についても念入りに実施していると強調した。
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