ビル・ゲイツが選ぶ「2024年夏に読むべき本」4冊|今年はドラマもあるぞ!
『The Women』クリスティン・ハナ著
ベトナム戦争の前線で、兵士の看護にあたった女性看護師が主人公の小説『The Women』。 世界大戦やベトナム戦争など、戦争テーマの小説はこれまでは過去のものと感じていましたが、今の世界情勢を考えると過去のものとはいえないでしょう。戦地での医療行為や施設、患者に及んでいる悲惨な影響のニュースは絶えません。 15歳のとき、先生に連れられてベトナム戦争の抗議行動に参加したビルは、ベトナム戦争関連の多くの本を読み、映像を観てきたけれど、『The Women』は前線で看護にあたった看護師という、これまでにない視点からの物語だったと語っています。 アメリカの夏を告げる5月の最終月曜日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日、今年は5月27日)を前に紹介された本著。この選択に、軍事行動で死去したアメリカ軍兵士をはじめ、軍事行動に関与する兵士と彼らを支える医療関係者へのビルの気持ちが込められています。 日本では『ナイチンゲール(小学館)』が刊行されているハナですが、米国出版社によると『The Women』の日本語訳については現在のところ未定だとか。
『Infectious Generosity』クリス・アンダーソン著
この投稿をInstagramで見る Crown Publishing(@crownpublishing)がシェアした投稿 クリス・アンダーソンはTEDの創設者。2024年1月に米国で刊行された本著は、テクノロジーを利用して、個人レベルから世界レベルまで、他人への金銭的・時間的・労力的なサポートを広げる提案をしている1冊だそうです。 テクノロジーのおかげで、寄付したり他人のために何かをしたりすることが容易になる一方で、社会の二分化が進む現状において寄付レベルは向上していないそうです。 「Giving USAの2022年のレポートによると、可処分所得に占める個人の寄付の割合は過去40年間、比較的横ばいで推移している」とビルは話します。 筆者も含めて、「寄付したい気持ちはあるけど、金銭的にも時間的にもなかなか…」という人は多いと思いますが、「できる範囲で何かをしたい、でも具体的にどうしていいかわからない」と感じていた人の後押しをしてくれそう。 学びへのAI活用法や人間関係を向上させる術。個人から世界レベルで他人をサポートするヒントを得たり、物語を通して一視点から戦争を体験したり、極上のスパイドラマに浸ったり。深い学びの多い、刺激的な夏のひとときが待っています。 Source:Gates Notes (1, 2, 3, 4), YouTube(1, 2), Khan Academy, Viking Penguin, Instagram(1, 2)
ぬえよしこ