【2025年に注目】カスハラや教育格差…課題解決へ「熱量が高い」起業家10人は
地域創生を語る上で農業は欠かせません。しかし、農業界は気候変動という大きな課題に直面しています。「AGRI SMILE」の中道貴也代表取締役CEOは、農業残渣型バイオスティミュラント(BS)の開発を通じてこの課題解決に挑んでいます。BSは環境ストレスを緩和し、高温や低温などの条件でも植物が対応可能な技術です。実際に、同社が開発した高温対策BSは生産者の圃場で高温による品質低下を是正し、手取りを6~10%改善する成果を上げています。残渣を活用したBSは国内最大規模のJAとの連携を強みとし、生産現場と密接に協力する同社だからこそ実現可能な技術です。中道さんの挑戦は脱炭素農業を推進する画期的な一歩となり、農業を変革する大きな可能性を秘めています。 「MOON-X」は「ブランドと人の発射台」をミッションに、共創型M&AとDX支援事業を通じて魅力的なブランドや製品を世に広めるのが企業理念。特色は「共創型」です。買収や合併と聞くと、ともすれば「弱肉強食」のイメージを抱きがちですが、長谷川晋代表取締役CEOのスタンスはそれとは真逆。たとえ数人規模の事業所でも、魅力のある商品を提供しているものづくり企業をリスペクトし、丁寧に寄り添う姿勢には感服しています。 先端研究分野のプロ人材が集結する「シンクサイト」は米国に進出し、グローバル市場で高い評価を得ている東京大学・大阪大学発のバイオベンチャーです。研究者向けにAI駆動型の画期的な細胞分析技術を開発・提供し、新たな治療法や診断法の開発、創薬研究に貢献しています。勝田和一郎代表取締役CEOは、バイオ系スタートアップで医薬品・医療機器の事業開発や経営企画の経験を積み、外資系コンサルでグローバル製薬・医療機器メーカーなどの経営戦略やマーケティング戦略の立案にも従事したつわものです。 (構成/編集部・渡辺豪) ※AERA 2024年12月30日-2025年1月6日合併号
渡辺豪