【2025年に注目】カスハラや教育格差…課題解決へ「熱量が高い」起業家10人は
企業の社会的責任は年々高まっています。そんな中、企業のサステナビリティー経営を支援するのが「シェルパ・アンド・カンパニー」です。杉本淳代表取締役CEOは「経済合理性とサステナビリティーの両立」を図り、非財務情報を可視化して企業価値へと変換したい、と意気込んでいます。大手企業とのタイアップも進み、さらなる成長が期待できます。 日本の課題の中核ともいえるのが高齢者医療の持続可能性。訪問看護事業を営む「ことぶき」の竹内健太代表取締役社長は、モルガン・スタンレーでM&Aアドバイザリーに従事した後、ミクシィやビズリーチ(現ビジョナル)で経営企画や新規事業の責任者を務めました。竹内さんは創業者の高齢化や経営リソース不足により継続が困難になった訪問看護事業をM&Aによって承継し、地域医療の受け皿としての再構築に挑戦しています。訪問看護事業の経営基盤をアップデートするだけでなく、従事者の待遇改善にも寄与する人材として注目しています。 世界ブランドへの成長を目指している「ヘラルボニー」。主に知的障害のある作家が描くアート作品をIPビジネスとして手掛ける同社は双子の弟松田崇弥さん、兄文登さんが共同で代表取締役Co-CEOを務めています。4歳上の重度の知的障害を伴う自閉症の兄の存在が起業につながりました。圧倒的なオリジナルのデザイン性で勝負するTシャツ、バッグ、小物などの作品群を通じて、支援ではなく対等なビジネスパートナーとして作家の意思を尊重しながらプロジェクトを進行。正当なロイヤルティーを支払う仕組みを構築し、「ブランド力」という価値を生み出した功績は高く評価されています。「社会のために彼らを順応させるのではなく、彼らの個性のために社会が順応していく」と話す松田兄弟は障害者のイメージを根底から変えた先駆者といえます。 お祭り支援という異色の事業形態がユニークな「オマツリジャパン」。加藤優子代表取締役は美大出身で活力に満ち、「お祭り」を体現する素敵な女性です。創業のきっかけは2011年の東日本大震災。日本中が暗い雰囲気に包まれていた同年8月に訪れた青森で、人々がさまざまな思いを抱えながらも、ねぶた祭りを通じて再び前向きな気持ちを取り戻していく様子を目の当たりにし、加藤さんは「祭りには人を笑顔にする力がある」と実感。その後、各地の祭りの開催をお手伝いする中で、多くの祭りが継続の危機にあることを知り、事業を立ち上げました。全国5千の祭の主催者とネットワークを築き、お祭りの継続を支援するため協賛金などの資金集めや観光消費額向上など地域経済の拡大に尽力しています。