藤波辰爾、高橋ヒロムとの一騎打ちに敗れるも喜び「新日本魂が入ってる。安心しました」ヒロム「70歳なんてウソだろう」
「プロレス・ドラディション」(22日、後楽園ホール) 藤波辰爾(70)が新日本プロレスの高橋ヒロム(34)とメインで一騎打ちを行い、レフェリーを獣神サンダー・ライガーが務めるという、新日本ジュニアの歴代エース3人のそろい踏みが実現した。 【写真】とても70歳とは思えない藤波の体のハリ 後楽園ホールは超満員1350人の観客で埋まり、右手を差し出した藤波に対し、ヒロムは両手でしっかりと握手。ロックアップからグラウンドの展開でスタートした。 試合が動いたのは藤波が左の張り手を放ってから。打撃の応酬からヒロムがショルダータックルで倒し、苦しそうな表情になった藤波を「どうした!藤波さん!こんなもんか?」とカツ。藤波も蹴り足をキャッチしてのドラゴンスクリューを2度見せると、足4の字固めで長時間締め上げたが、ヒロムはなんとかロープにエスケープする。 ここから藤波がフルネルソン、裸絞めをロックするが、脱出したヒロムがラ・マヒストラルでカウント2。藤波はドラゴンバックブリーカーを決めるが、ヒロムの体重がかかった左膝を痛めてしまう。ヒロムちゃんボンバーを一度は逆さ押さえ込みに切り返した藤波だが、直後にヒロムちゃんボンバーを被弾。カウント2で返したが、続くタイムボムからの片エビ固めで15分44秒、3カウントを聞いた。 藤波は「芯がちゃんとしっかりと、新日本プロレス魂が入っている。うれしいですね。身をもって受けてみると容赦なくとことん遠慮なく来るっていう。芯はリング上の相手に対しての勝負に向いている。痛みと同時に半分うれしさもありますけどね。身をもって自分たちがいつでも出せるというものを持っていると確信できた」とヒロムを称賛。 「安心しました。新日ジュニアは健在だ、新日本ジュニアは強えなっていうのを身をもって感じ取れたんで。ヒロム君を指名して正解だったのかなという気がします」と笑顔を見せた。 ヒロムは「70歳なんてウソだろう。なんて力強いんだ。何度も危なかった。この現役ピチピチのジュニア最強の俺が本当に危なかったんだ。藤波さんがあと10キロぐらいやせてくれたら、来年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアにエントリーしてほしいぐらいの輝きを放ってるよ。この輝きは誰にも負けない。誰も勝てない」と、藤波の健在ぶりに舌を巻いていた。 ◇ ◇ セミではリングス出身の長井満也とパンクラス創設者の鈴木みのるの一騎打ちという、UWF好きにはこたえられない試合が実現。5分過ぎからド派手な場外戦を展開し、アキレス腱固めの攻防では鈴木が「来てみろ!何がリングスじゃ!」と挑発する一幕も。長井はキャプチュード、魔界ドライバー、ハイパーニー空牙とたたみ込んだが、鈴木は続く腕ひしぎ十字固めをエスケープすると裸絞めに捕獲し、ゴッチ式パイルドライバーで3カウントを奪った。 長井を立たせると握手をスカした鈴木は、UWF対決について「気のせいだろ。化石だぞ、そんなもの。昔々の大昔、川の上流から大きなモモがどんぶらこと流れてきたような昔の話」と一蹴。 「プロレスは生きてる、どんどん替わってる。一つだけ変わらないのは、ずっと殴り合い、戦いをしてるってことだ。今の殴り合いが大事だ。それ以外、俺は何も必要ない」と訴え、長井に「俺のいるステージはもっともっと先だぞ。悔しかったらそこまで上がってこい!」とメッセージを送った。 新日本とリアルジャパンで一度ずつタッグ対決したが、知り合ってから35年で初めて鈴木と一騎打ちを行った長井は「やった方がいいのか正直悩んだけど、引退した時にやっときゃ良かったと思うのはイヤ」と引き受けたと打ち明け、「面白かった。やって良かった」と言いつつも「次はないです!」と言い切っていた。 ◇ ◇ 藤波の息子・LEONAは第4試合で、この1年間追いかけ続けた全日本プロレスの宮原健斗とタッグ対決。船木誠勝と組んで宮原、全日本の井上凌組と対戦した。宮原、井上と激しくやり合ってこの1年の進歩を見せ、船木が15分23秒、ハイブリッドドライバーからの体固めで井上にフォール勝ちした。 LEONAは「俺はまだ顔じゃないのは分かっている。でも追いかけて何が悪い?絶対にシングルを勝ち取ってやる。このドラディションのリングで絶対に宮原を倒す」と誓っていた。 ◇ ◇ この他、第3試合では全日本の世界最強がタッグ決定リーグ戦に参戦中の関本大介、真霜拳號組が石川修司、現GLEAT王者の田村ハヤト組という強力タッグと激突。実力者4人に15分は短すぎ、時間切れ引き分けに終わった。 第2試合でもメインに負けず劣らずのジュニアのレジェンドが集結。越中詩郎、ザ・グレート・サスケ、高岩竜一組とAKIRA、スペル・デルフィン、田中稔組が対戦した。デルフィンを除く5人が元IWGPジュニアヘビー級王者という戦いは田中のダイビングフットスタンプ、デルフィンのダイビングエルボードロップを受けて11分1秒、AKIRAがムササビプレスからの片エビ固めで高岩から3カウントを奪った。 第1試合は倉島信行、MAZADA、田島久丸組とアンディ・ウー、三州ツバ吉、鈴木敬喜組が対戦。MAZADAが三州を7分56秒、胴締め裸絞めで破った。