なぜ? 「残業が半減」したのに「年収27%アップ」──元ブラック企業が取った、思い切った施策
女性管理職比率30%も、2017年に早々に達成
多くの企業が今なお課題を抱える女性管理職比率についても、30%の目標を2017年に達成。コロナ禍に先駆けて在宅勤務制度を拡充した他、ベビーシッター利用・延長保育などをサポートする制度や、こうした両立支援制度の利用を推奨する評価制度を導入した。利用した社員の同僚に対し、加点評価を実施するものだ。 近年、男性の育休取得が一般化するにつれ、その同僚の負担がクローズアップされる機会が増えてきた。2023年には三井住友海上が育休社員の同僚に最大10万円を支給する制度で注目を集めたが、メンバーズでは女性管理職育成の文脈で早々に、子育て社員の同僚を対象に施策を実施していたのだ。
社員2000人を超えても「全員参加型経営」 そのために
2019年には、社員数が1000人の大台に乗った同社。さらなる急拡大で、2024年3月時点で社員数は2800人にも上る。 その規模からして、経営陣の意向を社員に浸透させ、また社員のアイデアを活用していくのは容易ではないように思える。しかしタウンホールミーティングなどさまざまな手段で「全員参加型経営」の実現に注力しているという。例えばミッション・ビジョンの浸透のための研修では、所属部署にかかわらずごちゃまぜのチームを組成し、ビジョン実現のために必要な取り組みをプレゼンにまとめる。また、所属部署でミッション・ビジョンの実現のために何ができるか考えるワークショップも開催している。 「大事なのはボトムアップ、あるいはミドルアップ。顧客専任型チームにしていますが、どんな体制を組んで何を顧客に提案するか、大抵のことはここで決められます。 一定の仕組み化をしないと会社としての規模拡大と両立できない面はありつつも、『カスタマーサクセスのために、社員がいかに主体的に動けるようにしていくか』を大事にしていきたい」(同氏) (小林可奈)
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