政治家は「宇宙人」ばかり。でも、中には「人間」もいる

〔PHOTO〕iStock

――和田さんは小川さんと正面からぶつかっていって、信頼関係ができたわけですもんね。 和田:そうですよ。私も最初は政治家を宇宙人だと思っていたくらいですから。でも、人間だったんだと、小川さんと話してわかったんです。実際、宇宙人みたいな人ばかりですけど、そんな中に人間もいる。 私も小川さんには信頼関係ゼロのところからいろいろ言ったり、「わからない」「それは違う」「そんなのおかしい」とか言ったりしているうちにだんだん信頼できた。考え方が必ずしも合わなくてもいいんです、まずは人間関係でしょう？ 街にいる政治家にも、「何言っているんだ」「間違っているぞ」と言って良いし、何回も足を運んで話しかけているうちに面白いと思ってもらえて仲良くなれるかもしれない。 ――文庫の表紙には、そんな対話を重ねた和田さんと小川さんの信頼関係がよくあらわれています。 和田:表紙では私が猫の顔になって怒っていて、小川さんが震えている。文庫版のために加筆した「戦争を起こさないため」の対話をしていたとき、敵対していたので(笑)。イラストを描いてくれたのは霜田あゆ美さんというお友達なんですが、表紙はちょっとふざけた感じで親しみやすいのがいいなと思ったんです。 石丸さん的な親しみやすさがそれまで政治に関心のなかった人たちを引きつけているわけだから、政治家が今までの通りの永田町の言葉でTikTokをやっても誰も見ない。政治家はお高い台の上から語るのではなくて、「ちょっと聞いてよ」くらいで良いし、逆に「君の話を聞かせてくれよ」で良い。私たちの話を聞いて「そうなんだ」「俺も頑張るよ」と言えたら、それで100点です。 ◇続く後編「選挙で“推し”がいない人に、政治家とケンカするほど対話した50代女性が伝えたいこと」では、和田さんと小川議員の「敵対」の理由に迫るとともに、第50回衆議院議員選挙の投票日が10月27日に迫るなか、「変わらない政治」に絶望しても、それでも選挙に行く理由について聞いた。