不動産会社の経営者が教える! キッチンでわかる「選んではいけないNG物件」
NG3 ウォークインタイプのパントリー
パントリーとはキッチンの一部に設置、また併設される食品庫や備蓄庫の役割を持つ収納スペースのこと。 缶詰や調味料、米、ドリンクなど普段使いの食品をはじめ、災害時の備蓄、食器、日用品などをストックしておくことができる場所として人気です。 壁面に取り付ける棚タイプのパントリーが一般的。このタイプならキッチンにいながら、必要なものをすぐに取り出せて便利です。 ただしウォークインやウォークスルータイプなど、広すぎるパントリーは、「そんなにストックするものがない」「ただの物置になっている」という声を聞くこともあり、大家族や、大量にストックしておく必要がある家庭以外は、あまりおすすめではありません。 そもそもウォークインやウォークスルータイプのパントリーを設けるためには、ある程度の面積が必要となり、その分、キッチンやリビングが狭くなってしまうというデメリットもあるのです。 食品をどのくらいストックしておきたいか、そのためにはどのくらいの広さのパントリーが必要か。物件を選ぶ前に、しっかりイメージしておくことが大切です。
NG4 ゴミ箱が置きづらいキッチン
マンションを購入したあと、「ゴミ箱をキッチンのどこに置けばいいかわからない」と悩むかたが、じつはとても多いです。 間取り図を見たり、内見したりするときは見過ごしがちですが、この「ゴミ箱をどこに置くか問題」は、家事効率にも影響を与えるため、意外と見逃せないポイントだと思います。 可燃はもちろん、不燃、資源、ペットボトルなど、分類するゴミに応じ、どのくらいのサイズのゴミ箱をいくつキッチンに設置したいか、事前にイメージしておきましょう。 料理中、生ゴミが出たらその都度、サッと捨てたいもの。そのため可燃のゴミ箱は、キッチンの作業台からゴミ箱までの動線が最短となる、シンク下や作業台の下に設置するのが理想です。 またキッチンの背面収納の一部に設置するのもおすすめ。作業中、振り返るだけでラクにゴミを捨てることができるので、導線も短く、ストレスもありません。 不燃、資源、ペットボトルなど、臭いが出づらく利用頻度の低いゴミ箱については、キッチンからは少し離れますが、物置などに置くのも一手です。 ウォークインタイプのシューズクローゼットや、3で紹介したパントリーにゴミ箱を並べて、ゴミ置き場を作っているかたもいます。 家事導線の邪魔をせず、すっきりとした印象のキッチンにするために、ゴミ箱の置き場についても事前に考えておくことをおすすめします。
<教えてくれた人> 石岡茜さん。2013年に「女性のための不動産会社を作りたい」と、東京・学芸大学に「ことり不動産」を設立。女性ならではの細やかな視点と「幸せな家選び」をモットーに、物件選びをサポートしている。宅地建物取引士。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。現在、TV CMを放送中。YouTube「ことり不動産TV CM」でも視聴可能。 取材、文・髙倉ゆこ ©Zaharia Levy/Adobe Stock
取材、文・髙倉ゆこ