おでんが“たんぱく質ブーム”で注目!子供も大人にもおすすめの具材はどれ?気になる栄養素を紀文に聞いた
心も体も温まる冬の定番「おでん」。 出汁のうまみがたっぷりしみ込み口の中でとろけるような大根をはじめ、さまざまな食感と味わいが楽しめるおでんだが、実はおいしいだけでなく栄養面でも優れていることをご存知だろうか。 【画像】練りものに含まれる栄養価を比較 具の人気者「大根」と「玉子」はそれぞれ食物繊維とたんぱく質が豊富なほか、練りものの数々には、筋肉や骨など体の組織作りに欠かせない栄養素が多く含まれている。 成長期の子どもを持つ親や体のメンテナンスに励む大人にとっては気になるところだろう。 そこで食品メーカー・紀文食品、広報担当の村田真由香さんに、おでんの具に含まれる「栄養素」やご当地発の「変わり種」の数々を紹介してもらった。
高たんぱくで低脂質
「おでんに使う練りものは実は『高たんぱく』です。以前はいかに『糖質を低くするか』や『カロリーを抑えるか』がトレンドでしたが、最近は『高たんぱく』といった付加価値を求める人が増えているように思います。 たくさん食べなくても、一つで結構なたんぱく質を取ることができ、調理済みなので油をひいて焼く必要がなく汎用性が高い食べ物です」 「高たんぱく」と聞くとかなり魅力的だが、具体的にどういった栄養素が含まれているのか見ていこう。 紀文食品が女子栄養大学 栄養クリニック教授の蒲池桂子さんに尋ねたところ、魚のすり身を原料とする練りものには多くのたんぱく質が含まれ、豆腐やこんにゃくはカルシウムや食物繊維が豊富。具のそれぞれの特徴を知ったうえで組み合わせを考えれば、「おいしくて栄養バランスの良いおでんができる」という。 つまり、いろいろな具を満遍なく食べることで、脂質やエネルギーの摂取を抑えながら、たんぱく質やカルシウム、ミネラルなどさまざまな種類の栄養素が取れるというのだ。 例えば、はんぺんは動物性たんぱく質が豊富で低脂質、すり身にすることで消化吸収もよい。 がんもどきは具材に使われる野菜の食物繊維、ミネラル分、カロテンのほかに豆腐の植物性たんぱく質が含まれる。 玉子は“完全たんぱく”といわれるほどアミノ酸の構成が良質で、体をつくる筋肉や組織の材料になる。 そして是非食べてほしいのが、昆布、こんにゃく、大根の“食物繊維トリオ”だ。昆布には食物繊維のほかにカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分が多く含まれている。 こんにゃくは、「お腹の中を掃除する」といわれるように水溶性の食物繊維が豊富で、お腹の調子を整える作用がある。また大根は煮込むことでだしを含み、うまみが増す。 これらに加えて、ちくわぶや餅入り巾着を食べれば炭水化物(糖質)も取れることになる。さらに副菜に青菜のおひたしなど緑黄色野菜を添えれば、バランスの良い食事が出来上がるという。