「ゲームへの集中力を勉強にも生かせる?」子どものゲームに関するお悩みを相談!|Mart
子どもが楽しくゲームをやっている姿は、親にとっては喜びでもあり戸惑いの種。没頭する子どもを見て、「こんなに長い時間やっていいの?」と不安になるのは、多くの親の共通の悩みですよね。ゲームが子どもの成長に悪影響を及ぼすというのは本当なのでしょうか?そんな疑問に答えるために、ゲーム開発に携わり、ゲームニクス理論を研究するサイトウ・アキヒロ先生に話を聞いてみました!
Q1.宿題はやらないのにゲームには集中して取り組むわが子。なぜですか?
\A1.ゲームには子どもを飽きさせないための工夫が詰まっているから、当たり前のことですよ/ 「『ゲームばっかりやって、なぜ勉強をしないの?』と怒りたくなる気持ちもわかります。でも、ゲームには子どもに熱中してもらえるようさまざまな工夫が施されています。いわば、おもてなしをされている状態。なので、こればっかりは諦めましょう(笑)。ゲームの中にも論理的思考を鍛えるものなど、良質なものはたくさんあります」
Q2.ゲームへの集中力は勉強にも生かせますか?
\A2.ゲームと同じ習慣→反復→定着で学力アップ!/ 「ゲームは、必ずプレーヤーに行動をさせるという特性があります。なのでそれに倣って、『1日1回は机に向かう』『欠かさず30分ドリルを解く』など、行動を促すようにしてみては。ゲームにはクリアすると必ずプレーヤーをほめる(報酬を与える)という特徴があるので、その行動ができたらとことんほめてあげて。習慣を反復させて定着させれば、自然と学習習慣がつきますよ」
Q3.子どもにプレーさせるゲームはレビューを参考にして選んでいい?
\A3.子どもを観察して!どんな「ごほうび」に喜んでいますか?/ 「『ゲーム好きのわが子にはゲーム仕立ての学習アプリで勉強させたい』と思うのは、どの親も同じ。でも、残念ながら万人の学習能力をアップさせるものはありません。レビューも大切ですが、子どもがどんなことに喜んでいるのかを把握してから選択を。つまらなそうにプレーしているものを無理にやらせても、知識はつきません」 教えてくれたのは...サイトウ・アキヒロ先生 亜細亜大学都市創造学部教授。アニメーターとして活躍したのち、任天堂などのゲームディレクションに関わる。人を夢中にさせる方法論を「ゲームニクス理論」として提唱。 ゲームは単なる娯楽ではなく、子どもの能力や好みを探る手助けにもなる。習慣を反復させて定着させれば、学習習慣がつくツールにもなる。専門家からのアドバイスを参考に、ゲームとの向き合い方を見直してみてはいかがでしょうか。 撮影/中垣美沙 イラスト/たなかまる子 取材・文/高田真莉絵 2024年Mart春号 『親子でハマれる知育ゲーム 9選』より こちらもチェック