日本生命・石伊「阪神にはあの人が絶対必要」幼なじみの湯浅にアツアツエール 憧れの“あっくん”とプロで再会誓う
「社会人野球日本選手権近畿地区最終予選・3回戦、ミキハウス3-2日本生命」(11日、わかさスタジアム京都) 今秋ドラフト候補の日本生命・石伊雄太捕手(24)が3回戦のミキハウス戦に「6番・捕手」で先発し、3打数2安打と躍動した。阪神・湯浅京己投手(25)は幼なじみで一つ上の先輩。国指定の難病「黄色靱帯骨化症」から再起を目指す“あっくん”にエールを送り、再び同じ舞台に立つ決意を示した。 幼なじみに起こった悲劇に心配そうな表情を見せた。湯浅は同郷の一つ上の先輩であり、幼少期から背中を追いかけてきた憧れの存在。簡単に病気のことを語れるはずもなく、必死に言葉を選んでエールを送った。 「阪神にはあの人が絶対に必要だと思う。復帰して自分の力にも変えられると思うので、また活躍するところが見たいです」。石伊にとって湯浅は同じ三重県尾鷲市出身で同じ少年野球チームで白球を追った一つ上の先輩。湯浅のことを“あっくん”と慕い、プロ入りしてからも年末にキャッチボールなどでともに汗を流すのが毎年の恒例行事だ。「もともと腰痛持ちではあったので」と当初は湯浅の不調を深刻にはとらえていなかったが、国指定の難病であることを知って、事の重大さを痛感したという。 この日は阪神含む8球団のスカウトが視察する前で、元巨人のミキハウス・桜井からマルチ安打を記録。DeNA・藤田スカウトは「肩の強さはプロでもそういない」と評価し、ドラフト上位指名の可能性も出てくるなど注目度は上がってきている。「(湯浅に)連絡しようかなと思ったんですけど逆にいいかな。正月会うときに話を聞こうかなと思います」。次に地元で顔を合わせるときにはドラフトも終わっている。プロ入りのチケットを持って、再起を目指す“あっくん”に会いに行く。 ◆石伊 雄太(いしい・ゆうた)2000年8月18日生まれ、24歳。三重県尾鷲市出身。179センチ、83キロ。右投げ右打ち。捕手。小学4年から尾鷲野球少年団で野球を始め、尾鷲中時代は伊勢ボーイズでプレー。近大高専では2年秋から背番号「2」でベンチ入り。広島の近大工では1年春からリーグ戦に出場。同4年時はドラフトで指名漏れし、23年から日本生命でプレー。